99歳になる佐藤忠良。明後日まで
回顧展が世田谷美術館で開かれてる


1912年、明治45年の生まれだという
私の母方の祖母は明治44年生まれなので
その1歳したということになる


佐藤が40歳のときに作った、「群馬の人」が
気になった
ちょうど、2011/1/31の日経新聞の春秋にとりあげられてる


佐藤さんは、
「格好よく作ろうと思ってこうなったけど、もうできないの。
素朴に作ろうとしてかえって嫌らしくなっちゃう。
何でもそうだと思う」と語った。


素朴であり続けることは途方もなく難しい。
美術だけでなく、日常でも舌先が拍手を求め、
文字通りおしゃべりしていることに気づく。


素朴でありつづけることの難しさ
なるほど。素朴であることって、とてもいいほめ言葉なのだ
私が像を見て思ったのは
四季の詩にある
「雪を溶かす大地のような」
そんな強さ
群馬の人の顔は、とてもしっかり、どっしりしてるのだ
そうかといって、強いというのでは、なにかニュアンスが
しっくりこない
まさに、雪をとかす大地が、ありがたく、しっかりとして
自分の心をおちつかせ、そしてお腹に力がはいっていくような
安心する顔


何年かまえ、川村美術館で佐藤のデッサンをみて
デッサンで絵本になった「木」を手にとって
なんて、安心する、気持ちのこもった「木」を書くのだろうと
感心して、親しい人にその本を贈ったりした
木にしても、群馬の人の顔にしても、日本のよさが
とっても色濃く感じられる、まさに日本を愛した
アーティストだなと思う


佐藤の作品は、だんだんくりかえしみて
そして、まだまだ観ていたい、大事なものになりつつある