警鐘

日曜日に山種美術館にいって
「日本の原風景を求めて」という展覧会を
みたのだが、そのなかで作家のコメントが頭から
離れない


日本の美しい自然を大事にすることは、生きることを
大事にすることだと、東山魁夷は言う
木々の緑、川、海、湖といった水辺、山、風、雨
自然を愛でる気持ちを日本人は大事にしてきた
その美しい自然を、開発という名まえの破壊行為で
なくしていってる。これは自殺行為といっていい
早晩にやめなければならない
これは昭和50年代での東山の言葉


いま、大地震が起こって、日本は強く、復興が求められる
日本人ひとりひとりも、いままでの社会のままということでは
だめだという意識のもと、変わろうとしてる
ものごとの見方がとても、おおまかに見るのを許してもらえるなら
開発によって、使いたいだけ、エネルギーを消費し、山や海を汚し続けた
いままでの、やり方、生き方を変える、いわば最後のチャンス
なのではないか


経済効率という名前のもとに、生きるおおもとといっていい
自然を壊し続けた
そのことを、猛省して、いままでとちがう生き方をしなくてはならない
一方で、もちろん産業も、あらたに起こして、あらたに生きる
道を模索しなくてはならない


なんという大きな仕事があるのでしょう
目がくらむような、課題の山
でも、生きていくのに必ず乗り越えなければならない
昨日の日経新聞に、この大地震からの復興は
太平洋戦争後の復興になぞられていいという記述があったが
その気持ちがあるのなら、まさになんでもできるのでは
ないか


戦争でほんとの貴重な人材が失われ、国土は焦土となった
奇跡といわれた、経済復興をなしとげて
経済では世界一か?とまでいわれるほどだった
その奇跡が、同じ道のりではいけないのだと感じる
まさに、もっと一味もふた味もちがった奇跡を起こし
人間の生きる道をみつけていかなくてはならない
やることは、本当にたくさんありそうだ