力をためる

フォークソングと呼ばれるジャンルの音楽が好きだ
謡曲とはちがう。ニューミュージックとは兄弟かも
しれない。ロックとはちがう
J-POPはあまり聞いてないので、わからない


中学、高校と、そのころはカセットテープがメインだ
それこそ、すりきれるまでといっていい。聞いた
聞き込んだ。歌いもした。どっぷりつかっていたといっていい
年齢を重ねて、大学生になり、演劇とかに足を踏み込んだ。
社会人になってだんだん時間がなくなっていって、どっぷりでも
なくなっていく


それでもあるとき、フォークソングを聞くと、ああ自分は
こんなに音楽が好きなんだなと、しみじみ感じるときがある
フォークソングを聞くと、そのときまでためていた
音楽への思いがどっとあふれてくる感じがする


少し極端なものいいになるけど、フォークソングも、料理も
焼き物も、いってみればどんな仕事も
一人の人間の情熱を込めた集中力があって、作られたなと
感じられるととてもうれしい。
そうした仕事がこちらの心をうつといっていい。


先日、「和菓子のアン」by 坂木明 という小説を読んだ
ひとが死んだりしない、ミステリーで、なかなか軽快に読めて
面白い。主人公のあんちゃんは、高校を卒業して、デパ地下の
和菓子屋でバイトする。このバイト、単純な作業になんて
とどまっていない。和菓子の世界は、日本文化であり歴史に
深くかかわっている。実際、お店の方針で、新しいお菓子が
くると全員で食べる、味わうということをする
そうすることで、お客様に自信をもってすすめられるように
なる


そして主人公のあんは、お客様が食べたくなるように、お菓子を
すすめられるようになっていく
そんなストーリィを読んで、販売という仕事の面白さ、奥深さが
少しかいまみれたと感じられてうれしい。
我が家には子供はいないのだけど、もし子供がいて
こうした世界にすすんでみたいとなったら、いいなと感じる


いかに好きなものを好きでいられるか? 自分のなかで
あっためて、楽しんでいけるか
生きていくことの基本に通じるこうした楽しみをわかる、深めていける
自分でありたいと思う


フォークソングにどっぷりつかっていた、ミドルティーンの頃
一番多感といっていい、そのころの思いをずっと忘れられない
忘れたくない、自分とつきあう