引き出しを増やす

親しくしてる、取引先の部長が最近セミナーにいって、いいことを
聞いてきましたよ、と話題にしたこと。
若いときに、たくさんの人に育てられた人は、いい管理職になるということ
だから、若い人には、多くの人がかかわって育てていくということが
大事だという


このことが、頭のなかにずっとあって、先週末はわが社の管理職研修があった
管理職研修というのは、実際ひとりひとりの社員にどんな指示をだして
これから1年間で、わが社はどんなことをするのか、確認していく場になる
例えば、Aさんという社員には、後輩の指導を通して、いままで自分の知識の
足らなさであるとか、仕事していくうえでの、品質の高めかたなどのノウハウを
より磨いていくということをしてほしい、と話がでた


後輩の指導、まずやってみることが大事だ。やってみて、いろんなことに
気付くかどうか、ここが「成長するかどうか」ということにつながる
キーポイントだ。Aさんの仕事のしかた、かつて教えてもらった人から
テストはこうすればいいな、と思ってるとする。システムにおけるテストは
そのシステムの目的によって、濃淡であり、やり方そのものも、「あるべき姿」が
ちがうということがある
ここが、システムの仕事の難しさであり、奥深いところなのだけど、Aさんはそのことに
どこまで気づいているか


後輩の指導、やってみることが大事だ。じゃあテストはこういうやりかたでいこう
そのとき、選択肢がどれだけ、あげられるのか?
医者が、例えば患者が発熱したことをみて、考えられる選択肢の多さで、その
医師としての力量がわかるという、話を聞いた。まさに技術者も
あるシステムのテストについて、どうするのがいいのか、選択肢のなかから
的確に選べるということで、技術者としての判断力、ひいては、そのプロジェクトに
おける、存在意義の大きさがでてくるといっていいのではないか


こんなふうに、Aさんのこれからをシュミレーションしてるときに、技術者は
いろんなケースにおいて、いろんな問題解決にのぞんでるのが大事だなと
感じる。そして、問題解決は担当としてどこまで、正面で取り組むのか
見分けるという作業も大事だと、思い当たる。つまり問題によっては
そのときの上司がひきうけるべきということが、たくさん起こる
会社と会社で、交渉して解決する場合などは、いくつかの場合
プロジェクトの担当者というより、営業であるとか、場所長の判断ということが
どうしても必要ということがあるでしょう


仕事をしていれば、いかに上下であり、横連携もそうだけど、自分と
接する人と、うまく手をにぎってすすめるかということが大事かということに
思い至る
そして、ときに自分を守ってくれたり、もちろん叱ってくれたりほめてくれたり
する上司って、大事だ。そう考えてくると、冒頭に書いた言葉は
重みをもって、響いてくる
思い出すことがある。自分にとって理不尽で、いやだなと思うようなことが
あって、つまり自分の判断では、会社にとって大きな利益をあげたと思う
自分の働きが、あるときまったく評価されずに、あれーってことがあった
そのとき、何人かの上司が、いくつか、表現のしかたをかえて、説明してくれた


仕事で成果をあげるということは、一担当では、ときには理解できない力が
働くものだ。その会社が全体ではどう考えてるのかってことももちろん
大事だけど、所属するチームであり、そのチームをまとめている責任者が
いまどうなのか、なにを考えているのかというこをはずしては、どうにも
ならないことって起こるのだ
そして、担当者が見えてる世界と、当然責任者が見えてる世界が違う
また言葉って不完全だ。「腑に落ちる」ように話すのって、簡単じゃない


だから、引き出しを増やすということ
いろんな人の考え方にふれること。そして、同じ現象をみても
まったく逆の見方があるということに慣れること
人間が成長するのには、いろんな人の後押しって、大事なんだって
知ること
ああ、人間を育てるって、奥深い