対人感応力

気が利くという言い方がある
人となにか、仕事をいっしょにするとしたら
多少のちがいはあっても、気が利くということが
ないと、まったくもってやりづらいのは確かだ


このブログに何度も、登場する言い方で人間は退化するという
こと。たとえば、なにかを人にお願いする、ということ
尊敬する河合隼雄先生の本にこんな、記述がある
大学の先生をしてる、先生のところに
学生がなにかの書類に、先生のはんこがほしくて
くるとする。そうすると、ノックもしないで
はいってきて、いきなり、書類をつきだし、これ、はんこと
だけ言う、学生がいるという。
極端な例のように思うが、そうでもないらしい
先生はいう。大学生ですから、決して頭が悪いという
のではありません。そういうしつけだとかの部分が
スポイルされているのですという


こうした、対人感応力、わたしの言い方にすれば
日本が急に豊かになって、協力して生きていくというこを
忘れたゆえ、起こってると書いた
どういう原因かはここではくどくどと書かないけど
こうした、対人感応力が衰えてるなか、そのことが
とてもうまいなという人もなかにはいる


笑顔を忘れないで、にこにこ接してくれて
例えばいっしょに食事をすれば、よく気が付く
お茶をのもうというタイミングには、さっと立って
率先してお茶をいれる。宴会でそろそろ、なかじめをしたほうが
というと、そういうタイミングをはずさない
チームの人が残業で残るといえば、必ず「手伝うことはないか」と
声をかける


これは素晴らしい。砂漠でオアシスにあったようだ
そして、その人はいてほしい存在として認識される
このことは決して悪いことではないし、みにつけてほしいなと
思う要素がたくさんある
一方で、そうした対人感応力だけで、世の中、生きようというのも
甘い考えじゃないか
私たちのシステム開発の仕事は、「誰でも」ができるということではない
いいえ、一定の知識を身に着け、ノウハウをもち、仕事していくうえでの
たちまわりができれば、誰でもできる可能性はある
ただ、一般の人が、たとえば、数週間のトレーニングでできるようになるか
といえば、その答えはNoでしょう。何年かはかかると思う
特に若いうちの何年か、この仕事に集中することが必要だ


仕事って、おそらくたいていの仕事は、仕事を覚える、若いうちの何年か
というのが、大事だということがあると思う
システム開発のような、クリエイティブ系もそうだし
営業的な仕事にしても、管理的な仕事にしても、おそらくは
何年かは、修行の時期がいるということがある


人といっしょに仕事するのに、対人感応力は必要なのだけど
必要条件で、必要十分条件ではない
それは、たとえば、戦い抜くには、十分な弾薬、兵糧、そして堅固な陣地が
いるという話のように、仕事をしていくのに、要素を
いくつかあげていくとしたら、対人感応力は、そのひとつにすぎない
おそらく、現代って、そうしたことが、ヘタな人間がふえてしまった
ゆえに、おおもとのあるべき姿より、対人感応力が大きくみえるのだろう
たしかに、言われることはあるのだけど
それと同時に、知識、知恵、ねばりづよさなど、どうしても必要な
要素はある


人間、まず気づくことが必要だ。気づいたら、ちょっとずつ、そのハードルを
超えるために努力を重ねる。そのことができて、人から信頼されるポジションに
いくことができると思ってる