歴史が好き

大学生のころ、永井路子の「あかねさす」という小説を
読んで、そのひとつのシーンになってる、奈良県明日香の
甘樫の丘に行ってみた


思い出すと、本であり、絵だとか、人の足跡をおっかけてみる
楽しさは、このときからはじめたということに、気が付いた


大和三山万葉集に歌われたその山の位置を確かめたい
それには、甘樫の丘に登ってみたいというつぶやき
このことを、実践してみた


あかねさすの主人公が、やってみる、壬申の乱の道をちょっとだけでも
歩いてみたくて、明日香から芋峠を越えて、吉野まで歩いてみた
これも20代のころの話。確か4時間くらいはかかった。足に
まめができた


奈良県にいってみて、甘樫の丘にたってみて、なつかしさに
ひたってみた。万葉集なんて、全然くわしくはないのだけど
ちょっとだけ、そうした世界にふれたいと思った


天智天皇天武天皇、そして持統天皇は、まさに日本が日本らしく
なっていった、そのもとを作った人たちのように思う
そのふるさと、明日香には、日本人の日本人たるおおもとと
いったものがあるのかもしれない


耳成山であり、畝傍山であり、天の香久山は、それぞれ
美しく、いまでもそこにあった。明日香はいまでも
静かにときをきざんでいる。そのころとそんなに
変わらないのでは?と思えるような、たんぼや畑も
あり、ゆうゆうとその場所があると、感じる


たった、20年とか30年なんだけど、20代のころ、自分が歩いた道は
ある意味、そのまま、そこにある。千年、1500年と歴史を刻んできた
明日香にしたら、20年なんて、あっというような瞬間なのかも
しれない。人間は、いろんなことを、思いながら、行動し
いろんなことに、感動し、いろんなことに、ふりまわされ
生きていくのでしょう。できれば、生きていたそのときについて
ああ、よくやったなと、自分で自分をほめるような
そんなときが、たくさんあることを、思う


そんなことを、思っているのだけど、たとえばこの30年というのは
長いようで、ある場所にとっては、一瞬だなと思うと面白くもある
明日香で歩いて、資料館で本をよみふけったりして
お好み焼きを食べたのを思い出す
そんなことを、思い出しながら、明日香をまた歩いてみた
やっぱり、いいのです
歴史をきざんできた、古都というのは、人をつつみこむ
なにかがあるように思います


思い出してみれば、中学生くらいから、ずっと鎌倉が好きで
鎌倉はすみずみまでとはいわないけど、ずいぶん歩いてますが
そんなことからも、古都が好きということが
あるようです
ときを経て、いまも人をひきつけるものがある
そんな古都が好きです