子どもを知る

子どものスイッチ 斉藤次郎 福尾野歩 増田喜昭
という本を読む


子どもが「あれ買って」と言ったときに、すぐに買ってあげるのが
一番いいわけじゃない。どんなにそれが欲しいかって話に丁寧に耳を
傾けてやりたい。高価なものなら、「じゃあ誕生日に買ってあげる」
誕生日までのあいだずっと、待ち続けて、ようやく買ってもらえたとき、
初めて「モノ物語」が完結する。子供は、そういう物語で自分が
愛されてるのを、確かめていくんだと思います。
「まったくしょうがないわね。あんたはいつもそれなんだから
いくらなの」とお金を渡してしまったら、そこにはモノしかないから
むしろ子供は、欲求不満を募らせていく。欲しがるから与える、また
欲しくなる、と次々フラストレーションの連鎖を生むだけなんですよね。


そういう話をまえにも、聞いた。いまは心のエネルギーを使わないで
お金を渡して、子供にほしいものは与えてるのに、なんで子どもが
こんなふうに悪くなるんだ。と(河合隼雄、カウンセリングを語る)


いまの子育てって、ほんとうに大変だと思う
こういう、時代の差、という話をだすときに、よくでてくるのが
ぼくらは、近所のおじさん、おばさんに叱られた、思い出がある
いま、しかるどころか、地域コミュニティが疲弊してしまって
大人同士もあいさつもしないといった、街で暮らす
そういうなか、いろんな要素で育てることが、必要な子供を
親がすべて、かかえこむように育てていくということが
あるように見える


学校の先生になった、友人がつぶやく
いまも、いい子はとってもいい子でいるんです
ただ、ダメな子が本当にだめで、差がはげしいんですと
そういうことも、ありうるなと、いま、思う
子どもが育つ、場所がない。だいたい
寄り道さえできない、させられないというでは
ないですか


そんな、疲弊した状況の日本に生まれてくる子は
どんな、未来を作っていくのかと、恐ろしくなる
このまえ、人とやりとりしていて、いまの若い人は
未来とか将来というと、「不安」ということにすぐ
つながりますから、真正面にだすのはいかがなものか
という話題になって、ぎくりとしました


そういうことにも、就職活動していて、心折れてしまう
そんな若い人の姿がかいまみれる


会社は、若い人を育てるということが、大きなミッションとして
あがってる。そのとき、自分なら、人を育てるということに
自信があるし、どんどんやってやるぞ、と思ってきた
もちろん、いまでも思ってる。ただ、待てよと
声がする。長澤が知ってるというか知ってるつもりの
いまの若い人の姿、それは見間違えていないか
もっともっと、幼くて、自分で自分をみつめることを
躊躇してる、そういう若い人が多くないのか
そういうなかで、ほんとうに、なにか、自分ができるのか?


自問自答する
それは、おそらく答えはずっとでない。
いいえ、答えはもうひとつしかないと思ってるということも
できる


人を信じて、つながることを、しっかりやっていくことで
人は本当に育つことができるんです
だから、やっぱり信じていきましょう