思い出のマーニー

先週は、好きな本、去年ジブリで映画にもなった
思い出のマーニーで、仲間と読書会をしました


この本を読み、仲間と話していて
それで、またストーリィをたどると
思うのは、やっぱり人を大切に思うとか、好きになる
また、その好きになった人と、別れがくる
そうしたことを、経験して、人間は、人の心の痛みを
感じれるようになるし、人といたわりながら、生きること
そうしたことが、大事だと思えるようになるのだ、と
感じます


人間は、そういうふうに思うと、楽しいことも
なくては、いやだけど、悲しいことを、悲しい、
淋しいことを、表現もして、まさに感情豊かに
生きるということが、大事なんだと思えてきます


ときどき、開いてみる、ビジネスの成功指南書といっていい
上司とどうつきあうか、課長になったら、読む本といった
類に、「人間は理屈では、行動しない、感情が支配する」
ということが、よく出てきます


ああ、なるほどなと思います
たとえば、どの段かいで、声がかかるのか?
そういうことについて、こだわる、こだわらざるを得ない
って、ときどき思ったりします


誰かより後に話が伝わってくると、なんで、自分を優先して
話さないんだという気持ちが起こる
もっといえば、物事が自分ぬきで、動いたりすると
それについては、もう自分はかやのそとだから、知らないよ
という態度をとる


これは、感情、いいかえればメンツをたてよという
話の類だ
決して、理屈で、これこれこういう合理性があるから
あなたに、後になりました、とかそういう説明をうけても
自分の心が、素直に反応しないことが、とても多いのでは
ないだろうか


つい、ビジネスとかの話になりましたが
感情を、どんなふうに、うまくひきだし、私流に言わせて
もらえば、生きるということの、いいスパイスに
使っていくのか、そのことは、ビジネスだろうと、プライベート
だろうと、生きていく、根本にかかわる大事なことだと
思います


話はもどって、思い出のマーニー
主人公のアンナは、冒頭から、なかほどまで
「つまらなそうな」顔をすることで、人と接触
できるだけ、避けるような、一見おとなしいのですが
その内面に誰も入れない、入れさせないといった
心に壁があるような、そんなタイプの人として書かれます


そのアンナが、親友ができて、まさに疑似恋愛といっていい
ような同性ながらも、その相手に傾倒し、かつ
その相手と、別れを経験します


相手のことがすごく大事。自分と入れ替わりたいとまで
思うような、そんな体験をするから、別れがきるようにつらい
でもその別れのなかで、相手を許すということを知るのです


許せない、そうした感情が、他の人を、自分の心のなにかに
ふれることを、させたくない、という行動に結びついてるのだと
そんなふうに、やっと理解が進みます


許せる、心につかみどころのある、やわらかいところが
少しできる。許せる、許す。だからまわりの誰かが
心の近くにくるように、なにかが変わる


自分の思春期から、思いをへて、本に書かれた人生ですが
ちょっとだけ、シンクロし
ちょっとだけ、なつかしく、悲しくそして、あたたかい物語でした