恋した日々

10代のあるとき、聞いた曲があります
森田公一です


「青春時代が夢なんて、あとからほのぼの思うもの
青春時代のまんなかは、胸にとげさす、ことばかり」


この胸にとげさすこと、最初聞いたときは、誰かに
たとえば、恋人(もしくは恋してる、片思いの相手)から
なにか言われたりして、傷つくことを、思ったりしたのです


確かにそれもあるのでしょうが、実際、心の残ってしまうものは
自分が誰かを傷つけたりしたことなんだと、だんだん気が付きます


心無いひとことを、そのとき、自分が言って、悲しい思いを
した人がいること。その事実が何度も思い出して
自分の心をつつくのです


心のなかに、ネガティブな思いができて、そのことが、気持ちをかきまわし
いろんなことを、するのに、後ろ向きな感じがでてしまう
そのことが、いやでした


若いときって、まだまだ、自信をもてないし、だから
心の余裕がないし、だから、人に対する配慮もなかなかできないのでした
そういうことって、やっと少し経験を摘んだいまなら、想像できる
理解できる
そのときは、まっただなか、おおいに傷つき、おおいに悩みました
だから、「あとから、ほのぼの、思える」のでしょう


若いときに、経験少なくたって、なにかを強く感じて
それを乗り越えるということが、とても大事のように
思います


人生において、幸せなことは、思い出して、そのことが
自分を輝かせたんだ、もしくはそうした輝く時間につながる
ヒントだったんだと、思い出せることが、あるということ
じゃないでしょうか


山登りの、話をしてる、テレビ番組で、北アルプスに上った
市毛良枝さんの、経験談がとても印象に残りました
雨の風でなにも見えなかった、北アルプスの山道。
ずっとたどっていくうち、ある一瞬、まるで芝居の
幕があがるように、空が、山が見えだした瞬間を
経験したということ


悲しいこと、苦しいことを、潜り抜けた人だけが
感じられる、素晴らしい一瞬で、人生ではあるんですよね
そのことを、信じられる人生を送ってほしいと思います


ある人を、好きになるということは、自分のいろんなことを
気づかせるし、全身全霊で好きになるということは
まさに生きてる、実感を持てるので、怖がらずすすんで
ほしいと思います


そうした、わくわくする時間があるということは
その人が青春を生きてるのだ、といっていいと
サムエル・ウルマンはいいます


けれど、10代、20代のことをおもうとき
森田公一がうたった感覚は、まさにそれが青春といって
おきたい、衝動にもかられるのですね


まだまだ、青春
けれど、自分の幼かった日々も、青春と呼びたい
そんな矛盾、かかえてこれからも、生きていきたい