心を鍛える

河合隼雄先生の、著作、カウンセリングを語るのなかで
本の世界で、自分の心を、鍛えるというか、カウンセリングの
事例として、追体験をするのがいいですよ、という話が
載っています


なかなか、相手の人生を受け取るのに、自分の実体験だけでは
対応しきれない部分ってあるでしょう。と語ります
たとえば、年齢、性別、もちろんその経験してる事柄
自分の経験から、対応できるものというのは、限られるのでしょう


今年の夏に開催した、読書会にて、なにが、本の魅力なのか
という話になりました。川端康成の古都という小説が、テキストでした
仲間のひとりが、主人公に、感情移入できないので、読んでいて
ぴんとこないという、話になりました
たしかに。その場にはいっていきたい、その場に自分がいるような
どきどき、わくわく、せつなさを、感じない
それは、つまらない。そういう見方もあると。


私は、川端の古都がとてもよくて、その前に、京都がとても好きで
その川端が描こうとした、京都のよさにあこがれもあり
とても、うれしくというか、うっとりといってもいいかも
しれません。読んだのです


本の世界で、確かにその場面にでてくる、人物について
興味がわく、その人物が考えること、感じてること
もちろん、恋をして、どうなるのかということが
とても、気になるということ。本の魅力のひとつには
ちがいありません。さらには、冒頭に書いた、河合隼雄先生が
いうところの、追体験ということも、とても大事です


一方、メルヘンや絵本がそうなのだと思うのですが
登場人物も含めてかもしれないですが、本が描いてる世界
そのものを、味わうという、楽しみ方があるようにも
思います。私が古都で感じたようにということも
あるかと思います


本にでてくる、登場人物の心情について、自分だったら?を
思いを巡らすことはできたとして、そのことを、追体験として
心に刻むことはできるのでしょうか?


河合先生は、カウンセラーとなるのだったら、やりなさいと
言うのでしょうね
常々、経営者であり、管理職と言った、人を指導する
立場にあるなら、カウンセラーがやることを、意識して
やっていくことが、大事と感じます
いいえ、カウンセラーが鍛えるべきことと、一部重なると
いうほうが、適当でしょうね
「対人援助」という言葉があります
人に相対して、その人のよりよく生きるのを、押し上げるといったら
いいでしょうかね


そのために、その人のことを、理解する
理解するために、実際その人の置かれてる世界、考えを
感じる。それが大事。
自分のなかに、相いれないとしたら、本の世界から、追体験する
そうしたことを、繰り返す


ええ、やっぱり、本の世界を、自分のなにかに
していくって、とても意味のあることのように、考えます