東山魁夷

星離れ行き


東山魁夷川端康成は親しく、おつきあいをしていて
川端が旅立った時、その死をいたみ、書いた文章に
東山の人柄、またその二人の絆ということを、感じます


川端は、子供のころの、ニュースということで
その死ということは、知っていましたが
東山魁夷との交流ということで、自分のなかで存在感が
大きくなりました


美、とは、なにか
美を、いかに伝えるか
そういうことを、きっとずっと語り合ったのです
永遠ノテーマといっていいでしょう


川端が、望んで、京都の美しさを描いた、京洛四季


緑潤う


常緑の樹の生い繁る
なだらかな山々に囲まれた盆地を、
川が流れている
古い林泉が、苔と石とともに
静かなたたずまいを見せている


この一節ほど、京都の魅力を、言葉で表したのに
適切な、一文があるでしょうか


もちろん、文章だけでなくて、ソノタイトルの絵は
そのまま、庭園の美しさを、輝いてると思わせる
作品です


川端が、東山が、京都を、日本を愛でていたのだ
そういうことで、また日本が好きになります


大好きな信州、信州のなかでも、とりわけ、気に入ってる
安曇野を、見渡せる、長峰山に、川端と東山、井上靖
三人が登ったという、記録があります
井上の手記には、川端と、東山は、ずっと熱心に
語っている、その姿が、なんともいいのだと、残してる
この語ってる大半は、「美」についてなのだと
思います


この安曇野の風景も、山々が折り重なるような、美しさを
見れるのですが、その点で、少し似てるのが、奈良
山の辺の道、川端が、倭建命、東山が、天智天皇のうたを
石に刻んンだという、桧山神社のまえからの
風景です
二子山を望み、山々がたたなづくのです


美しいということを、感じれるのは、価値でしょう
そのガイドをするのが、アーティストといっていいなと
いつからか、思うようになりました
東山魁夷は、名ガイドとして、ずっと、自分としては
存在しつづけてくれる、そう思っています