アートがつなげてくれるもの

中国籍の人と、個人的な話をする機会がありました
ある風景を見ながら、中国の桂林は、この風景に近い
という話がでました


それを聞いて、実際、私は桂林、というか中国に行ったことない
けれど、東山魁夷という、日本の画家が描いた、桂林の絵で
そこが素晴らしい場所だというのは、知ってるという
話をしました


美しい景色をみて、その風景が心をつなぐということが
あると、感じます。
信州、安曇野はとても好きな場所です
10年ほど、前だったでしょうか、山下大五郎という画家が
安曇野を描いていて、自分の知ってる安曇野ってこんなにも
美しいんだと、再認識したことがありました
ひとつの風景が、画家が案内してくれたことで、さらに
輝いてみえたのです


最初に書いた、東山魁夷唐招提寺、御影堂の襖絵の話は
とても有名です。ほかの仕事を断り、何年もかけて
スケッチ旅行を重ねて、描いたという絵に、とても感動します


唐招提寺のこのエピソードは、自分の心に、ある気持ちをもたせて
くれます。それは中国の人、というと、ここでは経緯は書きませんが
ひとことでいえば、日本と中国といまは険悪なムードもあり
また、自分個人としても、好きじゃないなと感じていたりするのですね


そうなのですが、東山魁夷のこの気持ち、千数百年前に、日本に仏教を
伝えたいと、願って、やってきた鑑真に敬意となんといったらいいのでしょうか
感謝、というより、感動で応えたいといったらいいでしょうか?
そういうドラマを、自ら生きるなかで体現したということが言えると
も、思うのです。大好きな東山魁夷の、気持ちのほんの少しでも
くめるなら、中国のこと、中国人のこと、もう少し理解したいとも
思えてきます


東山魁夷の絵のように、人に感動とやすらぎを与えてくれる、そういう
存在を、ときどき、思うとき、せっかく生きてる自分、ちょっとは
そうした、素晴らしい人の生き方を、とりいれるなり、したいと
できれば行動したいと、感じるのです