法然院

茶道をやらない、自分が茶室のことをしゃべるのは
どうなのか、とも思いますが
いいものを、見た、ということで、それの感想と
しておきたいです


京都、法然院で茶室で少しぼーっとできる時間を
持ちました。もちろん、偶然で拝観したときに
建物を見て回れるように、なっていて、茶室も
開け放たれていて、そこに、人があまりこなかったので
15分くらい、ぜいたくにも、独り占めの時間が
もてた、ということです


貴人口という呼び方をするかどうか、わかりませんが
躙り口でない、障子をあけて、庭が眺められる
明るい作りになっていました。その庭に向かって
障子をあけて、日差しと、鳥のさえずりを
とりいれて、静かに呼吸を整えます


東山魁夷が、京都の自然は庭園であり、京都の庭園は
自然である、と、「京洛四季」のなかで、記述が
あります
まさに、茶室からみる、庭は、自然の良さをだしていて
それでいて、ほどよく、手入れされていて、その横に
すわると、なんとも気持ちがいい。
こうみると、茶室というのも、独立しては存在しえなくて
少なくとも、庭、その母屋のたたずまいと一体となるのだと
気が付きます


法然院は、銀閣寺のすぐ隣と言っていい、東山の自然の
豊富な場所にあります。銀閣が趣味の人である、足利義政
作ったということで、とても嗜好がこらされていて
いつだか、その作りに感心したのですが、そういう
一切の、考えた嗜好から、離れて、まさに自然に
近いと思う、作りだと感じました


鎌倉の近くで育って、鎌倉の寺が好きな自分は
どうしても、裏に裏山といっていい、緑を抱えて
斜面がある寺が、しっくりくる、傾向があります
そういう意味でも、法然院のたたずまいは、落ち着けました


京都は、ふところが深い
まだまだ、味わってみたい、寺の静寂であり
街並みの、豊かさ、そして、深さ。おそらくは
人の営み、生き方のゆたかさも、ある、素晴らしい都
なのでしょう
また、京都が好きな所がひとつ、増えました。