パイロット

ルノアールとパリに恋した12人の画家たち」
横浜美術館で、開かれた展覧会で、モディリアーニが、画商の
ポール・ギョームを、パイロットと呼んで、描いた絵がありました


パイロット、水先案内人、この言葉に、とても期待感というか
自分のやることであり、すべて、人を指導するという立場の人に
送りたい、役割が見えてくる、言葉だと、感じるのです


人間というのは、自分を理解するというのが、苦手な場合が
多いようです。だから、誰かとやりとりしながら、自分の役割を
認識するということが、重要です。組織のなかで、やにかやってもらう
となれば、そのレベル感があがると、感じます


人間の成長、そういうことを、とらえるとき、目指すべき姿は
どうなるのか?ということが、大事なポイントになると感じます
だからこそ、パイロットが必要という感覚があります
どんな存在を目指すのか?


話を、アートのほうにふります


山下大五郎という画家が、信州、安曇野を繰り返し描いています
池田町立美術館にて、山下大五郎の絵をみたときに、それまで
好きは好きだったけど、こうした、安曇野の美しさということに
ついて、目を開かせてくれたと、感じたのです
画家が、「美」ということについて、パイロット役になって
ここには、こんな美があるんだと、教えてくれるということを
感じました


そのことに、気づいてから、例えば、奥村土牛の「醍醐」という
絵をみて、醍醐寺の桜をみてみたり、東山魁夷の京洛四季をみて
くすのきのすごさに、気づいたりしてるのです


この楽しみ方は、旅の楽しみをとても、大きくしてくれました
例にだした、奥村土牛は、醍醐を描き上げるために
何年も、醍醐寺に通ったという話を知っています


奈良、山の辺の道にある、白毫寺。
ある日、岡信孝という方が描いた、白毫寺の門の絵が
すっと目に入ってきて、たまたま、そのあと、奈良に
行く予定があったので、訪ねてみたのです


なぜか、そんなふうな、符合ということが、とてもうれしく
そして、記憶に残るということがありそうです
だから、アートを追っかけるということも
また、楽しくなります


人間は、生きること、できれば、力強く、自分で納得した
生き方で、生きることが、求められます
生きて、生きてるその意味を考え続けるのです
アートを生きる、人はそういう意味でも、パイロットに
なってくれる、そういう存在だと、感じるのです