おでんの話

おでんは、薄味で気長に煮ます
これは、土井勝さんの料理の本からもらった言葉


このことが、頭にあって、おでんは、時間がゆったりある
休日に作るもの、というのが、自分のなかにインプットされてる
ゆえに、なかなか、我が家の食卓に登場しない


余談になるけど、お鍋の料理は、時間がかからないもので
すすめることが結構あります。たとえば、常夜鍋、ぶたしゃぶですね
ですとか、はくさい、豚肉鍋、ねぎま鍋など、どれも好きですが
簡単です
だから、平日の忙しいときでも、やるときが多いのです


ですが、おでんはだめ。
時間をかけたい。そして、やっぱり、「練り物」はいいものを
使いたいですね。
思うに、練り物はほんとに、味も値段もちがいますね
地元でいうのなら、大口商店街に本店のある、能登屋という
専門店のものがうまいです


値段の差は、材料の差なのだと思います
練り物は、ようは魚のすりみということになると
思います。まっとうな魚をつかって作れば
おでんの汁にしみていくと、これがまた、いい味に
なる。だけど、おそらくは化学調味料に味をまかせた
そんなものの、練り物だと、しみていったときの味は
ちょっと、いただけません


人と、おでんの種は、なにが好きか?
という話題で盛り上がることがときたまあります
おでんが好きとなれば、当然、自分の好きなおでん種が
あるものです


こんにゃく、ちくわぶ、たまご、なんてよくでる答えです
ごぼう巻、さつま揚げ、なども人気。そういうものも
もちろん、いれるのですが、絶対はずせないのが、
だいこんと、じゃがいもですよね


冒頭に言った、気長に煮る、意味のひとつは、だいこんと
じゃがいもが、おいしく煮るということが、その理由の
第一にあがると思っています
いろんな、うまみをぎゅっと吸った、だいこんと、じゃがいも
ああ、日本人に生まれてよかったって思う味になります


おでんも入りますが、鍋ものは、融通無碍です
こんな、都合のいい食べ物はありませんね
いまは、どこかにあるかもしれないですが、自分ではいったことの
ある店はもうないのですが、いろんな具、を、自分で煮てたべれる
回転式のおでんの店なんて、はいったことあります
これは、日本人だから、鍋だから、できることですね


さきほど、人とおでん種はなにが好きかで、盛り上がると
言いましたが、そういう場面は何回かでくわしますが、ほんとに
料理が好き、食べるのが好きな、人と、一度、えんえんと、話したことが
あります
ああ、こいつは、ほんとに料理が好き、そして、自分もそうなのですが
作った料理を食べさせるのが好きなのだと、感じた
うれしい、時間でした


料理、という遊びといってもいい時間は、どう楽しむか
そのことを、うれしく人に語れる人というのは、おそらくは
人を楽しませるのが好きなのです
そういう意味で、料理好きと、たまにそんな話でもりあがりたくなります
とくに、おでん、であるとか、みんなでひとつ鍋を囲むという
ことなら、特にそういう楽しみが中心でしょう
やりたくなります