自己一致

河合隼雄先生は、著書のなかで、カウンセラーのやるべきこと
として、自己一致ということを、掲げています
外側からみえる、言葉だとか、表情、それと
内面としての、気持ち、それを一致させて、望むと
解説されています


問題あると見える行動をする、少年と相対するとします
少年は、先生のこと、一発なぐってやろうと思う・・・
などと、発言する、その際、カウンセラーは
少年が、なぐりたいという気持ちに寄り添うのだと
ところが、一方で、カウンセラーの本音としては
「どうかなぐらないでくれ」と、思っている・・・
これは、自己一致ではない・・・


こんなふうに、書いていると、自己一致ってものすごく
大事だけど、かなりの割合の人が、できてないというか
そういうことを、しないで、仮面をかぶって、社会生活を
してるといっていいのではないか?


夫婦、親子といった、人間関係
上司と、部下。取引先との打合せ
売る、立場の人、お金を払う立場の人
教える立場の人、教えてもらう立場の人


人は立場で、それぞれの役割を演じてるといっていいでしょう
そういうとき、自己一致してるのか?


人間関係の基本のつながりを作るのは、「傾聴」ということだと
それを、基本としてきました
ですが、立場、役割、またそれを演じてる、そうしたフィルターを
離れて、人間は、できるのか?


なんの、こだわり、そうした、立場にとらわれるとかない
自然体で生きていけたら、どんなにいいか?
そんなふうにも思います


二十代のときに、出会った、上司は、立場にとらわれないなと
思える人でした。上司の支店長にも、お客様にも、そして
新入社員の自分にも、同じ態度、同じ言葉遣いで接していたと
思うのです
すごいこと、と、思いませんか?


とらわれない、こだわりのない、そういう振舞いをしつつ
そして、その属してるチームがいま、なにをしなくてはならないか
よくわかっていて、周りの人とそういう協力はとてもよくする
そういう存在になれたら、素晴らしいいと思います


さて、自己一致。
傾聴というときに、自己一致するということが
必要であり、大事なんだと、ノウハウ本に書かれています
ところが、簡単じゃない


ですが、できるタイミングって、作れるかも
とも、思うのです
人間は、立場を離れて、役割を持たずに生きるって
難しい。でも一瞬、そういうことができるときが
あるのかもしれない・・・
そんなふうに、思うのです
そのときを逃さず、いま、大事なことってなに?
そういう自問自答を続けていけば、見えてくるものが
ありそうです