シダネルとマルタンの展覧会を、山梨県立美術館に、見てきました
シダネルは、偶然にも、パリにでかけたときに、ジェルブロアという
村にいって、シダネルがいっとき住んで、庭を作って、愛した場所だと
知り、気になるアーティストになっていました
今回、はじめて、相当な数の作品を見て思うこと
「静かさ」「親しい人を、大切にする態度」
静かさ、と人との親密さ、ということ
この、二つのキーワードは、東山魁夷と重なると思っています
また、シダネルにしても、東山魁夷にしても、風景を描いていて
人物は描くということは、きわめて、少ないのですね
東山魁夷の作品のなかで、「窓」という作品があります
ここにも、人物は登場しない。だけど、この窓を
描いた風景、ドイツの古都、の、城壁の門だと読みました
この古都を訪れる人が、通ったであろう、道があって
その道を、窓がずっとみつめていたと、想像があり
その、人は描かないけど、人がいたという風景を
東山魁夷はきりとっているのだと、解説にありました
シダネルの、ジェルブロアの作った庭にある、テーブルが
幻想なのかと思う、青い、月明かりのなかに、浮かび上がる
この、人のいないテーブルは、いまそこにこれから、人が
来るということか、それとも、いままでそこにいた人が
なにかで席をたった、瞬間をとらえたのか?
静かな、シーンの一枚が、人はいないけど、親しい人であろう
その人の存在を、想像させる。そして、絵の世界が、淡い光に
浮き上がるということで、その人との、人間と人間という基本の
つながりを、大切にしてるのでは?という想像がでます
東山魁夷が、ヨーロッパを描いてるのは、よく知られてることです
そんななか、シダネルの存在を知っていたか?いまとなっては
知る方法はとても、少ないのでしょう
知っていて、影響をうけたかどうかは、定かではないですが
ヨーロッパの街角を、愛した日本画家の東山魁夷の、発想であり
絵への、思いと、シダネルの、絵を思う気持ちがどこかで
シンクロしてるのだと、思えることは、アートファンとしては
うれしくなる、偶然としておきたいですね
シダネルが愛した、ジェルブロアは、バラの村として
観光地として、パリからも人がくるようです。村の外側にかなり
大きな駐車場があって、日曜日だったと思うのですが、それなりの
人がきていて、またレストランとかも、やっていました
バラ、ほんとに、古いレンガの家に合う、とても素敵な村全体の
アクセサリーのように、なっていました
シダネルの庭からは、ジェルブロアの村が見渡せて、これも
シダネルその人の、感性ということを、素晴らしく思わせて
くれて、とてもいい印象として残っています
シダネルと、とても親しかったというマルタン。マルタンのアートの
いろいろを、書くのは、またにしますが、シダネルが、マルタンという
存在を、私に紹介してくれたようで、これもまた、うれしいことです
美術館にて、うれしい時間を過ごせるのは、人生を
豊かにしてくれる。そのことを、何度目かで、実感できる、休日に
なりました