フェルメール

東京都美術館で、「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
を見ます


展覧会の大きな目玉になってるのが、フェルメール
「窓辺で手紙を読む女」です
今回、東京都美術館の特別展を行う、フロア、3つのうちの1つの
半分を使って、この窓辺で・・・の修復の作業、そして、絵を
展示します


修復に興味がある方は、ぜひ、展覧会に足を運んでください
ここで書きたいと思ったのは、背景がみえて、その手紙が
恋文であることは、推定されています。そしてなおかつ
女性の表情は、感情がとても抑制されてるということです


いいえ、ラブレターを読んだからと言って、笑顔だったり
悲しくなったり、必ずしもしないということも、理解は
するのですが、あえて、感情をださないようにしてるように
思うのです


今回の展示で、フェルメールは、「手紙」ということを、何度も
描いてるということが、見えてきます。17世紀において、手紙という
のは、大きな位置をしめる、大切なものだから、ということも
あるのでしょう。そして、フェルメールが、手紙というツールを
使うということに、こだわっていたということにもなりますか?


この3年くらい、美人をテーマにした、絵というのが、とても
いいです。
マネ、ドガが、いいなと思って、その直後に、鏑木清方の三部作に
おおっとなって、そのあたりから、上村松園美人画は、やっぱりすごい
と、再発見といったことがありました


マネの晩年の傑作といわれる、「フォリー=ベルジェールのバー」
ここに登場する、女性の表情も、抑制されたといってもいい
でも、その少し憂いをおびた顔は、おそらくは、都会で仕事する
女性の美しい一面を切り取っていて、雰囲気がとてもいい。
わかるなー、っていう感じがします


この憂い顔続きで、鏑木清方の「新富町」。これから、お座敷か
という、おそらくは接客をひかえて、身支度した女性の
「覚悟」といったことを、感じる、少し固い表情といっていい
抑えた、気持ちをもつ、女性。


上村松園の蛍にある、はかない、虫をみて、なにを思うであろう
抑えた表情だから、こちらに想像をさせてくれる、そんな雰囲気。


共通してるのは、絵で表現したいことは、シンプルなものでは
なくて、人生のある一定の大変さ、日常のなかにある、越えなければ
生きていけない、壁を感じながら、感情の乱れを自ら抑制してる
そんなふうに見える、女性の姿。
生きてるその姿が、美しいし、また、強さといったものを感じるのです


フェルメールが表現したかったのは、どんな生き方、でしょうか?


表情は抑制されていて、画面全体は緻密、正確、光の表現が巧みという
なかで、見せてるものは、なんなのか?


都会で生きる、その生きにくさ、でしょうか?


フェルメールは、謎の多い画家と言われます
その謎ゆえに、人気があるとも言われます
画家が美しい、例えば、自然、色彩などを、表現するなかで
フェルメールがみていたものは、「人」になりそうです