植物の種

河合隼雄先生はその著書のなかで、なにかしら、「育ち損ねた」
部分がある人について、「しまいこまれた種」という例えを
だして、説明します


たとえば、どこか引き出しの奥とかにしまいこまれた種
何十年、いいえもっとでもあると思います
そういう種について、適度な水、土、太陽を与えてやると
芽をだし、葉っぱを広げ、花を咲かせることができると
書かれています
人間もそうなのだと、続きます。なにかしら、育つことが
できなかったところに、安心できる環境、期待、声かけ
などがあることで、その部分が育っていく、治っていく


河合隼雄先生の、著書のなかで勧められたことがきっかけで
思い出のマーニー」という作品に出合いました
周りの人に心をひらけない、主人公、アンナ。だけど、ストーリィの
なかではじめて、自分にとって大事な人、マーニーに会い
そして、裏切られ、、また裏切った対象を許すという、行動をします


人に心を開けなかった人が、大切な人ができて、裏切られて許す
こうした、育っていなかった部分に、欲しかったもの、人を大切に思い
ときに、裏切りを責め、そして許す。こういう嵐のような時間があって
自分のなかの、気持ちに相対することができるようになる
まわりにも、感情をだすことができるようになる


河合先生は、小説というのは、なかなか自分自身ではそのままの体験が
できない事象というのを、身近に感じさせてくれる、素晴らしい教科書といった
ことを、書かれています


確かに、小説を通して、人との気持ちの持ち方、立場が違う人の
気持ちの汲み取り、といった大事なことを、学べたことがたくさん
あります
人間は立場でものを考え、感じるものです
ゆえ、立場が違う人というのは、なかなかその気持ちに触れる
ということが難しいですね
そこで、小説です


種にとっての、土、水、太陽
そうした、3要素といったことがあるとしたら人間にとって
どうなのか?もちろんそのとき、その人、その状況で変わるという
ことになるでしょうが、そうした「欲しい3要素」がわかるということが
人を支援する、という立場ではぜひほしいことになるだろうと
想像します


植物が、どんどん、若葉を広げて、緑の季節になりました
木のそばにいると、自然のいい物質が体にはいるといいます
そのあたりを意識して、森林浴という言葉もあります
木がだしてる、微小な物質、フィトンチッドといいますが
それを浴びるのです


こうした時間、そのよさを感じられる自分の状態というのを
よく覚えておいて、ときどき再現するということがほしいことです
そうした、自分の状態をあげるということがあって、対人支援といった
ときに、相手の気持ちも包める、ということがあるのだと、感じます