てっちゃん遊ぼ

てっちゃん、遊ぼ
小さい頃、近所には、いっぱい同じ年頃の子供がいて
そのときにさっときめて、家の前で大きな声で名前を
呼んだものだ
○○ちゃん、遊ぼ
それで、二人三人、あるいはもっと集まって
カンケリをしたり三角ベースがはじまったりしていた


特に自転車は好きだった
「遠乗り」と称して、いったことのない道を走るのは
いってみれば、小さな冒険だった
知らない場所、知らない町並み
それを見てわくわくした
ずっとずっと走っていって海が見えたりしたら
それこそ有頂天だった
なにか、その場所は自分だけが知っている特別の場所と
思ったりした


今クルマでいけば10分たらずのなんていうことも
ない場所が、少年の自転車で30分かけていくと
別天地、そんな思いをもっていた
幼いころのことをふっと思い出したりする
それは、なぜか、貴重な自分のなかの思い出で
決してわすれない
ガキ大将からおそわったこと
例えば、ケンカは素手でやること
なにか手に持って相手を傷つけることは
絶対ダメなど、身をもって教えてもらった気がする
そうしてことを大事にしていたから
いまの自分の他人との距離感なりがわかっていく
基礎ができたのかなと思ったりする


幼いころの思い出
風景も変わってしまっているが
変わらないでいるものもほしいと感じる