虹のかなた

いま、私は47歳ですが、まだ身の回りに虹をわたったという人は
そんなに多くはない
去年、社員に渡した絵本に、「だいじょうぶだよ、ぞうさん」というのが
ある


ある森に、年老いたぞうと、ねずみが暮らしていて、いろいろ
補い合って生きている。年老いたぞうは、自分はそろそろ、ぞうの国に
旅立たなくては生らないとつげる。ねずみはさみしくて、そんなのいやだと
うけいれない。だんだん、視力もおとろえ、食欲もおちていって
ますます弱っていくぞう。ねずみはいったんは、いやだといったが
思い直して、ぞうを見送る決心をして、ぞうの森へ通じるはしごを
直し始める


身内を送り出すというのは、とてもむごい、悲しいことだけど
そのことを経験するということは、なんて貴重な大切な経験であり
すごいことであるか
この絵本はかいまみせてくれる
人が、まして身内が旅立つということ、その悲しみと向き合うことで
人は、生きてることを再確認して、生きてる時間をより輝かそうと
思えるのではないか


学生のときに、虹を渡って、二十歳のままの友達
その人の生きた時間は、僕らに一日一日生きてる時間を
大切にしなくては、という意識を喚起させる


若さゆえの


強さ、迷い、もろさ、純粋さ、自分への過信


不完全だった自分そしてなおかつ不完全な自分。
失敗した若いとき、なおかつ失敗もあるいまの現実
生きるって、ことは、自分を知るってことだし
いやおう無しに、人間はひとりだし、苦しさも悲しさも
必ず向き合うときがあると思う


虹をわたった人を思うとき、できればその人の笑顔であり
ポジティブに生きたその生き方を思って、いま生きてる自分に
なんらか、プラス方向に向くような思いの受け取り方を
したいですね