はざまにはいる

対人援助、対人関係について考えるときに、「教科書」と思っている
カウンセリングを語る by 河合隼雄
に以下のくだりがある 上巻 P.230


われわれカウンセラーというのは、、人との約束を破らなければならないときが
わりとあるんです。どういうことかというと、例えば、私が、Aという人と映画を
見に行こう、と約束しますね。ところが、私のクライアントが自殺未遂をしたら
やはり飛んでいかなければならない。しかも、そのときに、Aという人に、
「実は私のクライエントが自殺未遂しました」と絶対にいえないでしょう。
秘密ですから。だから「ちょっと都合が悪いから映画に行けない」としか
言えないですね。Aさんからしたら、「せっかく約束したのに」ということになる
でしょう


そのときに、そのAという人間が怒るんだったらなんと言おう。ほんとうの
ことは言えない。言えないけれども、とにかく、映画にいけないという
ことを、誤るけれども、その場合に「何か事情があって、あいつは言わん
けれども、よほどの事情があるのだろう」とAという人に思わせる態度を
我々はもっていなければだめなんです
「これはもう電話ではだめだから、顔見て言おう」とか、
「絶対すまんけど」言うて謝る。そのときに、たとえば私という
人間が、そこまで「すまん」と言いにくるんだったら、何かあるだろう、
ということで許してくれるような人間関係を、我々は職場の中で持って
いなかったらだめなんです


このことを、「カウンセラー」は特別ということでなく
いろんな場面にあてはめてみると、「チームとして」あるべき
姿というのが、ひとつ浮かんでくる
つまり、強く、深い絆があるということはどういうことなのか
そして、しなやかで、出入りのあるいいつながりってどうか
目指すところは
相手を信頼して、受け入れる心、尊重する心、こちらからも
くったくなく、要求を言える状態、そして、許容する態度
ということになってくかと感じる


このブログでも書いた
上司と部下の関係は、いかに信頼関係を厚くしていくかということだと
それは正解なのだけど、実際どうやって厚くしていくかということに
マニュアルはないと感じる
何度も話すのだ、雑談も含めて、生きてることをそのまま
話すのだ
これもそうなのだけど
テニスがうまくなるには、いっぱいボールをうつことだという
たとえに似て、少しあじけないし滋味だ


私もうまく、こうしたらいいとはいえないのだけど
スポーツもそうだし、人間関係もそうだけど、「旬」というか
つまりタイミングをはずさないということがあると
思っている
大事なタイミングで、言うべきことを伝えて、それを相手が
受け入れる。そうしたことを、ぜひ、やることだろうと思う