海外からの友達

どのくらい、ひさしぶりの日本なのかは、知らないのだけど
ここ数年で親しくなった、海外に住んでる友達が
日本に来るという、連絡がはいった


さぞ、日本での友達との時間、風景を楽しむとか
もちろん、おいしいものを食べるとか、そんな
ことを楽しみにしてるのだと思う


どこへ行こうかと、考えたとき、真っ先にでてきたのは
日本画の美術館
日本らしいところ、ということが言えると思う
五島美術館根津美術館、このふたつは、和のテイスト
ということ、日本の屈指の実業家のコレクションをもとに
してること、さらに素晴らしい庭園をもつことで
かなり共通してる
また、このように海外からの誰かを、特に日本らしさを
味わいたいと思ってる人、と考えたときにぴったりのように
思う


日本らしさということでいえば、寺もいい
近くであれば、鎌倉。日本の、ということでは
やはり、京都、奈良。
日本らしさということでは、風景と庭園、つまり空間が
いいと思う


日本の良さって、たくさんあるのだけど
風景ということでは、実際、町のなかの風景は
日本らしさは、もうずいぶん前になくなってきていると
言うことになるかもしれない
東山魁夷の「年暮る」という作品に描かれた、京都は
それはほんとうに、美しくて、ためいきがでるほどだけど
まえにも書いたけど、実はもうその作品を描いた、昭和30年代
京都も都市化がすすみ、昔からの民家は減り、京都らしい町並みは
くずれだしていたという。そういうなかだからこそ
東山魁夷は、一部「目休め」ということで、ほんとうに
美しい京都をすくいとって、絵にとどめたらしい


日本の、日本らしい空間は、わずかに、庭園であるとか
絵にとどまっている。という言い方をすると、少しさみしい
街中は減ったけど、自然を感じる場所、地方にいけば
まだまだ、これぞ、日本らしいという風景には
会えるようにも思う


今日文章を書いていて、大切な友人にどんな場所を
みせようかと思うと、いっぱいあるようにも思うし
あれ、そんなにあったっけって心配な気もしてくる
日本に生まれ、日本に生きていて、こんなに素晴らしいところが
あると何度か感じたことはある。
やっぱり、ぜひ、日本の良さを残すような、そんなための
なにかの役にたちたいと思った


日本の美しさ、それを気付かせてくれる、画家はやっぱり
街路灯のように、それを教えてくれるようだ
ひとつ、大切な友達に見せたいものというコンセプトで
しばらく、日本の良さを追っかけてみようか