司馬遼太郎

今年の夏は、読書会をしようと仲間となって
実現できて、うれしい。
題材となった、司馬遼太郎の、坂の上の雲。結構時間が
かかったけど、読めたのもとてもよかった
そんなことがあって、うまく機会も見つけたので
大阪の、司馬遼太郎記念館に行くこともできた


4万冊という蔵書をもってるという、司馬遼太郎
安藤忠雄の設計の記念館は、まさに、その本棚が主役と
言っていいと思う。司馬遼太郎はいつだったから
自分は、書くために調べているのか、いいや、調べるために
書いてるのかもしれないと、つぶやいてるが、そんな
感覚が、はあーんと思えるような空間だった


常時、くりかえし、記念館のなかで見れる、司馬遼太郎
インタビューの映像が少し、印象に残った
司馬は、22歳で太平洋戦争の終戦を迎える。学徒出陣で
兵士として、迎えるのだが、なんて、ばかげた、戦争か
そして、日本人そのもの、国のしくみについても
なんて責任の所在もわからない、ばかな状態かと思ったという


日本はずっと、そうだったのか、そうではないだろうということで
その22歳の自分へあてた、手紙として、小説を書いてるという
江戸時代であれば、菜の花の沖高田屋嘉兵衛がいる
幕末であれば、坂本竜馬が、明治であれば、秋山兄弟がいるという
そうした、素晴らしい日本人の先輩たちを、描くことで
日本人としての誇り、生きる道を、さがしつづけたのでしょう


司馬遼太郎記念館には、若い人がこれから、道を切り開いてほしい
ということで、司馬の作品にインスピレーションを得てなにかを
していくことを、奨励した、賞がある。確かいいものには
30万円という金額でごほうびをくれる。


小説はフィクションかもしれないけど、生きるための
エネルギーをときに、もらえることがあるでしょう
坂本竜馬は、まさにそうした例でしょう
竜馬がゆくを読んで、元気になって、なにか、人のために
働きたいと、心がふくらんだ、人って、おそらく
読んだ人の相当な割合いるのでは、ないでしょうか


今回、坂の上の雲をよんで、竜馬がゆくという作品の
シンプルな流れに比べたら、おそらくまさに、現代につながる
ところを書くということもあってか、司馬自身が迷いが
ありながら、書いたのでは、と思うところもあって
それはそれで、なるほどとも思うのだけど、読んでる
こちらも迷うという感覚がある


秋山兄弟であり、正岡子規は、素晴らしい生き方を
しただろう。そうした、明治のよさ、明治のダイナミックな
ところの、よさを強調して、日本人としての誇りを
よみがえらせたいという思いは、わかる


小説を読んで、客観的な態度を、忘れないのも
大事だけど、やっぱり、小説のなかで、キャラクターが
自分になり、応援して、その生きた、リアル感を
楽しむというのが、読んでいて楽しいし
小説が、小説として、よさがでるところ
なんだろうと思う
難しいことを、いえば、そのフィクションなこと
歴史小説なら、史実とちがうところ、どうするのかって
気にしておきたいということもあるんでしょうが
それは、学者さんにまかせて、といったことも
だいたいにおいては、いいのではないか


人間は、生きていくときに、やっぱり「応援歌」というような
元気をもらえるものがほしいものでしょう。司馬遼太郎
小説が、応援歌として、機能するなら、それはそれで
意味があって、おおいに、楽しんだらいいでしょう


日本人は、素晴らしい。自分の先輩たちは素晴らしい
そう思えることが、やっぱり、元気にはなりますよね