文化というもの

当社の管理職での、話し合いにおいて文化とは?
という話になり、あるチームがいい文化を持ってる
ということは、あとからそのチームに参加した人も
巻き込んで、その人に影響を与えるとなったら、文化を
盛ってるといっていいね、ということが出てきました


「人を育てる文化」


「技術を大事にする文化」


人を育てるということで、思いは、先代社長のことに
行きます
人を育てるということの、基本に、まっすぐに他人と向き合う
ということがあると思っています


先入観とかなしに、人と向き合う。まっすぐなまなざしを持ってること


たとえば、歳が離れてることだとか、仕事においてとか、いろんなことでも
経験の差だとか、ふつう、あることじゃないかと思うのです
先代と私だって、いわば親子ほどの年齢差です。いろんな経験、人生の厚みといった
ところは、全然ちがう。だけど、お互いを尊重し、話し合うときは
まっすぐに、全てだす。遠慮もしなければ、ななめに見るなんてことを
しない。


こうしたことを、身を持って示してくれたんじゃないかと、
思い出します


こうした、人を育てる、人間と人間が相対するときの「基本」を大事に
するといったこと、これを、文化と呼んでいいのでは?と思います


話は飛びますが、2週間ほどまえでしょうか
NHK日曜美術館という番組が、40周年記念だということで
特番で、アンコール放送をしていました。「私と芹沢硑介」と題して
池田満寿夫が、芹沢の作品や世界について、語っています
そのなかで、芹沢のデザインについて、無名性があって、かつ
これは芹沢だなと思わせるものを持ってる、と語るシーンに
心が惹かれました


池田は言います
いまの世の中(放送は32年前の1983年だった)「おれが、おれが」という
主張をしている、人、もの、ばかりだと感じます
そのなかで、芹沢の作品は、けっして、おれが、ということでない
無名性がある。だけど、その世界は、芹沢だなと感じられる


これは、芹沢の生き方といっていい、「あたたかさ」じゃないかという
気がしています。みんなが幸せになってほしいという、おおらかな気持ち
そんなあたたかさが、根底にあるからこそ、感じられるものだ


このこと、単に、アートの世界だけでなくて、仕事をしていく
また、企業ブランドといったことの、「あるべき姿」じゃないかと
感じたのです


つまり、無名性をもち、それでいて、人に覚えていてもらえる世界を持ってる
それこそ、人になじんで、いつまでも使ってもらえる、そんな製品であり
そんな、サービスになるのではないでしょうか?
企業のあるべき姿といっていいかなとも思いました


仕事をするということは、人が生きていくときの
なにかに、自分も貢献するという気持ちがあることが大事ですね
そのとき、狭い考えで、「おれが、おれが」と前にでていったのでは
やっぱり、どこかで排除されてしまうのではないでしょうか?


池田満寿夫が、芹沢の作品はどんな場所にもなじむんですよ
という話をしたとき、一定のレベルを超えた「いいもの」のありかたを
みた気がしました


文化、自然と人がその文化のもとに、高い気持ちで生きていける
そんなことを、めざすのは、もしかしたら、壮大な夢といっていい
ものに近いかもしれないですね
でも、生涯かけて追いかける夢って、大きなものだから、また
追っかけがいがあるとも、言っていいのかなと、感じます