メアリー・カサット

いま、横浜美術館にて回顧展が開かれてるメアリー・カサットを見てきました


印象に残るのは、特に家族を描いたときのその
表情のとらえかたです
母、姉。
また、家族ではないけれど、観劇にきてオペラグラスで舞台をみる
女性の姿
基本、女性であり、母子像を描いてることが多い、カサット。
私はその表情のとらえかたに、素晴らしさをみた気がしました


オペラグラスの女性は、見られる存在としての女性ではなく
自分が見る、主体性をもった、凛とした、生き方をしてるという
解説がありました


印象派で、交流が深ったと言われる、ドガが、絵を描く事に
その生き方そのものを、入れ込んだような、そんなコメントが
残っています
小説家、原田マハは、その短編小説のなかで、ドガを登場させて
いまの画家のやり方は、まだまだ生ぬるいと、批判の言葉をしゃべらせます


同じ小説のなかでも、横浜美術館の展示の解説においても
ほぼ、同じタイミングで、メアリー・カサットが画廊で
ドガの作品に、衝撃を覚え、そしてサロンでの作品に
ドガが、メアリー・カサットの絵をみて、これは自分と同じ
感性をもつ人の絵だと、感じたといいます


こうした、「美」を通しての、心の接近は、おそらくは
二人にとって、戦友のような、といったらいいのか
気持ちを通じ合うところがあったのでしょう
カサットは、ドガのアトリエに何度も行くようになったようですね


昨日、メアリー・カサットの展覧会を見行く前に
NHK日曜美術館にて、ルノアールはその絵にはいっていきたい
という衝動にかられるような絵がかけたということ
モネは、目の人で、その色彩、あくまでも、見ていたいという
絵でしょう、という解説をしていたのを聞きました


メアリー・カサットは、身近な人を、その生き方を
写し取る、名手なのでしょう


絵の表情は、まさにその人の生きてる感じ
生きた、雰囲気をそのまま、写し取ってると
感じました


東京、横浜にて、こうして、印象派のスターといっていい
画家の大規模な展覧会にいけるのは、とってもうれしいことですね
今回の展示でいえば、回顧展ですから、画家としての軌跡を
時系列でたどるわけですね。影響をうけた、ドガだとか
ベルト・モリゾ、日本の浮世絵なども、豊富に例をあげていたのも
面白かったですね


家族のことを、思いながら、おだやかな気持ちで
見られる、展覧会です