触媒

江戸時代というのは、おそらく、日本人の生き方
いまの、日本の在り方を、形作った、素晴らしい時代だったと
思います
NHKの番組、「英雄たちの決断」にて、磯田道史氏は
関ヶ原の戦いという、世界史上類を見ない、大きな戦いで
かつ、徳川の完全勝利という形がなかったら
江戸時代が、はじまるということがなかったのでは
ないか、と、解説します
言ってみれば、江戸時代への、触媒としての役目を
果たしたといっていいと、言うのですね


その磯田氏の著作、「先進国日本は、徳川が作った」に
よれば、いまの日本の良さというのは、徳川時代
もとになってることが多いと、話がつながります


なにか、文化にふれるといったこと、そういうことにも
触媒といったことが、大事のように思います


私は、食いしん坊で、自分で料理するのも
好きです
その料理を作るということが、うつわが好きになる、触媒の
役割をはたしてくれました
この料理を盛るのに、いいうつわは、どんなだろうか
また、このうつわだったら、どんな料理をのせたら、いいだろうか


そういう視点で、うつわをみると、俄然興味がわくのです


またそういう、連想がわく、うつわを、ほしいと思うように
なりました


うつわ、まだ、興味を持っていない人に、どうやって
興味をもってもらうか。私がそうだったように
なにかしら、触媒がいるように、思うのです


ある会社があります。その会社ははっきりと、「日本の伝統文化を大切にする」
そういうことを、会社の理念として掲げています
その社員の人に、うつわに、興味をもってもらうのを、なにか
するとしたら、どうでしょう
幸い、その会社の社員の人は、仕事上、「書道」にはなんらか
関わってるというのですね。人によっては、相当真剣に書道に取り組んでる
といいます


だったら、と思いました
書道では、墨をすってるうちに、心を整えて、ということを
くりかえし、聞くのですね
その連想から、心を整えるのに、水差しに水、そして、できれば
部屋には、花が飾ってある、環境がいいでしょう
そういう、連想ができたら、水差し、花器に目がいくように
なるのは、そんなに、難しいことではないでしょう・・・


そんなふうに、なにか、物事に興味をもつ、好きになる
といったことに、触媒が有効だと、最近
思うようになりました
そして、できれば、そんな触媒をさがすということにも
お手伝いができる、自分でいたいと、思うのです