仕事のノウハウは引き継がれたもの

灰谷健次郎の「天の瞳」のなかで
主人公倫太郎の祖父は、「記憶」について
主人公に語る


己の立つ日に心が宿る
記憶というのはつまらんことを覚えておくために
あるのではない。人の生きた証といっていい
宝物を次の世代にひきつぎ、ひとりの人をずっと
生かしておくためにある


その言葉をまばらきもしないで、聞き入る倫太郎
なんてすごい、エネルギッシュな言葉だろうか
自分の生きたということを、話をして、そのことを
覚えておきなさいという、自信というよりなんだろう
哲学というのだろうか
信念に満ちた、人を導いていく、灯といっていい
きらきら光る言葉がそこにある


仕事というのは、ずっとひきつがれていくもの
いいえ、人生といってもいいかもしれない
たとえば、テニスで、ほんとに初心者のころ
相手をしてくれたその人は
テニスで、自分が初心者だったとき、教えてくれた
人がいる。その人には直接恩は返せない
だから、こうして、あなたに教えることで、恩を返してる
こうした、心の高さはどこから来るのだろうと思った


たとえば、ビジネスでもひとつの連絡のとりかた
会議のやりかた、ビジネスマン同志の
つきあいの仕方、勉強のしかた
それぞれ、やり方というのがあって
ずいぶん、先輩からおしえてもらった
そして、できれば教えていきたいと思ってる
同じ、天の瞳にでてくるのだけど
人は、他人にものを教えることを通じて
自分が成長できるということがあると思う
そう感じていることが、次のステップにいける
ひとつの、曲がり角のように感じ始めてる