冬の空気

昨日は久しぶりに、葉山にでかけてみた
川合玉堂という、日本画の大家の展覧会を見に行った
神奈川県立近代美術館の葉山館は、まさに海辺にあって
散策できる、建物のまわりの小道を歩いて階段を
降りたら


静かな、繰り返す波の音が迎えてくれた


波の音は、おそらく母のおなかの中で聞いた、最初の
音に似て、また何度も、海を見に来て心がしっとりした
ときの、しっとり感とか、いろいろ
なにしろ、懐かしさとやはり心をしゅわってハグされる
ような、せつない感覚が寄せてきて、うれしい


もう季節は冬にむかってるはずなのだけど
まさに、小春日和というのか
明るい海辺の空気は、たたずんで、波の音を聞く
私のことをつつんで、ふんわりさせてくれた


三浦半島の西側、相模湾に臨む葉山の明るさは
海辺に共通かもしれないけど、どこまでも明るかった
相模湾は、沖で海流がぶつかったり、その海底の地形が
変化に富んでることで、まさに世界に類をみないほど
魚、貝のたぐいの種類が多いのだという


前に釣りをする人に聞いたのだけど
たとえば、1年とか禁漁にしたらいかに魚貝類が増えるかという
話をしていた。海辺にいって、そんなに魚や貝を
見ないぞと思うのは、普段からとりつくしているからだという


昨日見た葉山の海は、やっぱり自分は、海の近くに生まれ育ったので
海を見るというだけでこんなに元気になるんだなという
ことを思い出させてくれた
いまもはっきり、耳のなかで再現できる波の音は
どんなBGMより心をやすらぎに導き、生きようという
気持ちを自然にひっぱりだしてくれる、魔法の音


また、しばしビジネスの日々がはじまるわけだけど
神奈川に住み、あんなに明るくて、安らぎを感じることが
できる場所が、わずか車で40分ほどということが
うれしい