日曜美術館

数年前、上野の国立博物館にて、ジョー・プライスコレクションという
展覧会があって、そのときに、伊藤若冲もみたが、鈴木其一という画家の
絵が印象に残った


それは、金の下地に鶴を方もので、展示のしかたが、例えば昼と夕方の光の
変化を疑似的にだすと、という感じでライトを変えることができて
その移ろいの、感じがなんというか、はかなげでもあり、美しいというのにも
なにか、あわせて形容詞を使いたくなる、とにかくすごかった


そんなことを覚えていたので、このまえの日曜日に放映された日曜美術館
興味があった
メトロポリタン美術館であるという朝顔図。おそらく美術がすきなニューヨークっ子が
驚きの声をあげる。「この朝顔の花の青はどうやってだしてるのかしら!!」
絵具を解析できるというX線の検査機や、高倍率の顕微鏡で、絵の表面を
覗いてみると、そのざらざらした絵肌であるとか、群青の絵具をふんだんに
つかってあるということがでてきていた。ざらっとした絵肌は鈴木其一が
その効果を狙って、膠をすくなくして、絵の表面に絵具の粒子の岩をくだいたそのままが
でるように描いていると解説があった


番組のなかでも、比較対象として、とりあげられていた、尾形光琳カキツバタ
だいたい、番組がはじまって、朝顔図をみたときに、カキツバタを連想せずには
いられない。青山の根津美術館にある、カキツバタ図と今回紹介されてる
朝顔図。青と金と葉の緑。色の組み合わせはいっしょだ。
番組では、このふたつを比較して、どうこうという話があった
平凡な自分には、やっぱり似てると思ってしまう意識がさきにたってしまう
もっとも、比較してみてというのは、朝顔の本物をみてから
やったらいいかもしれない


伊藤若冲がまさにそうだといっていいように
鈴木其一も、どちらかというと、海外で人気が高まり、ここへきて
いわば、審美眼の逆輸入のように、日本で再評価の声があるという


若冲が大好きな自分にとっては、若冲とか其一が、奇譚といわれるような
感じは、あまりないのだけど・・・
まあ、思い出すと2000年に、若冲の大規模な回顧展を、京都国立博物館
行ったときなんかは、自分はたかだか、絵でしょ。なんで京都まで行くんだ
なんて思っていたのだけど・・・
いまとなっては、結構作品をおいかけて、海外とはいわないけど
日本だったら、あちこちいってるのですよ。まあ楽しめるように
なったということは、いいことなのだけど。


美術館、行ってみるとなにかしら、エネルギーをもらえることも
あって、うれしい。個人のコレクションからスタートしてるということでは
上の杜若図がある、根津美術館がやっぱり輝いてるかもしれない
美術館があって、茶室がある空間ということでは、五島美術館もそうだ
少しあこがれる
ふらっとはいった美術館で、気に入った絵をさがすなんて楽しい。
最近では、京都市立近代美術館にて、村上華岳という人のおそらく
円山公園かなという感じの、花見の宴の絵。それから女性の舞姿が
いい感じだ。スウィングしてる


美術館に行って、楽しめないころは、どうも自分で自分を楽しませる
ということが、ヘタだったと感じる。楽しむことって結局相当な部分
自分の気持ちしだいだし、そういう意味では、絵も好きなものを
見つけられるかどうかだと感じ始めてる


鈴木其一の作品は、またいつみられるだろうか
楽しみがふえた