小説を読む

楽園のキャンパスという、原田マハという作家の小説が
気に入りました


ストーリィが、推理小説のように面白く、また人物の描写も
美しくまた、興味深いというか知的で、その語る言葉に
臨場感もあり、読んでいて、引き込まれる感じがします


美術好きなら、読んでいて、わくわくすること、必至です


おそらくは、フィクションなのですが、アンリ・ルソー
モデルにした女性は、貧しい庶民の奥さんで、最初は
ぜんぜん、アートになんて、見向きもしなかったのに
ピカソに会い、出会う人に引きずられるように、ルソーの
絵の世界に、惹かれていくというのが面白い


こうして、絵に特別、よく知ってるとか、そういう人でなくても
面白く読めるような配慮もある


読み物として、ストーリィ展開が面白くそのでてくる
キャラクターがいいというのは、作品としていいものの
条件なわけですが、今回改めて、よく考えてあるストーリィと
キャラクターは、魅力的とひとことでいってしまうのには
もったいない、人間として、なまなましく生きてる、葛藤があり
高いことを、目指している、そういう爽快感もあり
もちろん、あこがれ、その人のなかで、どういう少年少女だったのか
といったことも、含め、そのキャラクターが、本当に
いきいきとして、感情移入しやすいのです


原田マハさんの、ファンになりました


読書会をする仲間がいます
ストーリィであるとか、その人の考え方といったことに
なんらかの、類似点だとか、誰それの影響があってなんて
少ししゃべるのは、楽しいことです


もし、読書会を、この原田マハさんの作品でやるとしたら
彼女が、参考にした、文献、美術館周辺の、資料は
おそらくは膨大で、それを全部おっかけるとしたら
相当な、労力がいるでしょうね
でも、これだけの小説を書いた彼女に、敬意を表して
そうしたこともやってみたい気もします


原田マハが、かつて勤めた、MOMAが重要な
要素として、描かれてることも、おそらくは彼女にしたら
思い入れをぶつけて書いたのだろうということも、
想像できます
そのあたりの、なまなましさというのも、文面に感じます


映画のインディジョーンズのように、でてくる場面が
鮮明に、印象にのこるような、場面を描き、そこで
でてくる、絵、人物の描写は、ありありと、その場に
自分がいるような、そんな感覚に陥る、構成力と
文章力を感じました
こうしたところが、小説の魅力といっていいかな


おそらくは決して、スイスの豪邸になんて、自分を
名指して招待されるなんてことは、この先も
ないのだけど、そうしたことを、受けた、自分が
という気持ちで読み進められる、そんな
魅力にあふれた、作品です
とても、気に入りました