安曇野

私の信州の思いの、ポイントとなる場所が
安曇野です


東と西の山に抱かれた、広々とした土地
扇状地、それも複合扇状地と呼ばれる、アルプスの
山々を眺めることができる場所


最初は、うちの奥さんが、学生のとき修学旅行ででかけて
その美しさに、忘れられない場所なのだと教えてもらった
のでした
あるとき、池田町立美術館、別名、北アルプス展望美術館に
でかけてみると、山下大五郎という、安曇野に魅せられた
画家の展覧会があり、あ、あっと、安曇野って、こんなに
美しいんだと、改めてその魅力に気づいたのです


画家の目、というのは、美しいものを切り取って
ほら、こんなに美しいんだよと、一般人に教えるという
ことがあるようです
この山下大五郎で、ずいぶんとそういう感覚を持ちました


北アルプス展望美術館の坂をどんどん降りて、高瀬川
わたり、松川村にはいって、もう少し東の山に近づく
乳川という流れのすぐのところに、ちひろ美術館
あります


え、単純なんだよね・・・と見える、すごく素朴な絵
そうなのですが、それぞれの子供に、表情がみえる
実は、シンプルにみえて、たらし込みといった
日本画では、とても大事な技法が使われていたり
ちひろの、技術の高さがわかる、絵なんですよね


もちろん、絵、そのものをみるのもいいのですが
安曇野ちひろ美術館は、そもそも作った人が
昼寝ができる、美術館を、というコンセプトもあり
広い土地、ゆったりとした、空間、またカフェもあり
図書室もありと、ゆっくり一日中遊べる空間です


「山」をみて、美術館で絵をみて
そして、その絵がスケッチされたという景色をゆっくり
見る。そうしたことが、安曇野の楽しみ方の王道といって
いいのだと思います


そして、ちひろ美術館のほど近くには、鈴虫荘という
宿泊もでき、日帰り温泉としても楽しめる、ごきげんな
施設があります。別の場所に泊まっていて、お風呂を
いただいたこともありますし、何度かここに宿として
泊まったこともあります


湯量も十分、もちろん露天風呂も楽しめる、温泉。
安曇野は、この鈴虫荘に限らず温泉がいくつもでていますし
さきほど、扇状地といいましたが、川の源流に向かって谷を
進めば、また泉質のちがう、温泉にもいけるという贅沢な楽しみ方が
できます


山下大五郎も、岩崎ちひろも、それぞれ、安曇野を愛し
何度も行き、そこでスケッチした、そういう場所を訪ねて
みる。白馬の山であり、安曇野の山、そして、山を見るというとき
ある空間をへだてて、向かい側の山に登る、これが一番山のありようを
見る、最高の見方だとあるとき、気が付きました
安曇野は、理想的な場所といっていいと思います


しばらく、信州に実際行けてない
だから、こそ、今度行ったときは、感動がひとしお深い、そういう
旅にできるのだろうと想像します


いつもの、「拡大解釈」をすれば、旅がある困難があることで
感動を深くすることが、事実であれば
生きるということも、ある制限、あるハードルの高いなにかを
乗り越えることで、充実度をあげることができるのだ、そう
信じたいと思います