絵をみるということ

しばらくの間
絵をみるときに、自分が好きになれるか
見ていて、ああ、手元にぜひおいておきたい
という気持ちになるか
そうした視点でみていけばいいなと思っていた


倉敷、大原美術館にて、印象派をはじめほんとうに
すばらしいコレクションに接して思うのは
絵が、人々の気持ちをつかんで、ずっと世界を
作っているのだなぁとということ


大原孫三郎の依頼をうけて、ヨーロッパの絵を
購入に奔走した、児玉虎次郎はモネに直接依頼して
親日家のモネが、特別思い入れのある日本に自分の絵を
送るのにはと、時間をかけて選んだという「睡蓮」がある
睡蓮は、300もあるというが、自分の自宅の庭の
睡蓮をいろんな構図や、季節、光の変化を追い求めて
描き続けたということに、すごさを感じる


上記のようなエピソードは、印象派といったいわば
遠い、敷居の高いところにある作品や作家を身近に感じさせる
いいエピソードだ
ロダン荻原碌山を自分の弟子だと、つぶやいたというが
モネが、ロダンが、東洋の遠い国から来た、青年といっていい
若い才能に心動かされたというのは、社会の背景も
あったかもしれないけど、事実彼らの心を動かすだけの
感性と生きる姿勢を受け取ったからにちがいない


今回見てきた絵でいえば、児玉虎次郎その人の画業が
まぶたに残る
和装したベルギーの女性、姉妹という題のヨーロッパ女性
朝顔という日本女性。
繊細ながら、迫ってくるものがある、いい絵だ
先日見た、セガンティーニとも共通点を感じるような
明るさ、光のとらえかたを感じる
それは、朝顔といった、朝の光に着目した作品から
よく伝わってくる


大原孫三郎、そして総一郎といった大きな存在が
街の姿を作り、いま人を魅了させ続けている
そうした、生き方の素晴らしさを感じる旅
大原美術館の存在感の大きさに気付いた、旅だった