画家が描きたいと思ったもの

なごりの夏、という言い方に、惹かれたということを
思い出します
そのころ、仲良くしていた方が、いま仲間になごりの夏を
楽しむ会を、といって声をかけていてね、という
話題がでて、実はまねして、メールの頭に使ったりしたのですね


暦のうえでは、立秋がすぎて、手紙を書くとしたら
残暑、などというわけですが、暑さは続きます


今年は、美術館を特に楽しんでるといっていいかなと
思います。それは6月にパリに遊び、せっかくパリに
行くのならと、美術のいくつかの解説を読んだりして
自分のなかに、絵を楽しむための、知識がはいってきて
実際の絵をみてるときに、その知識を参照してることが
あるから、と、思います


ある、絵、たとえば、色の使い方、こんな特徴がある
といったこと、音楽に例えれば、メロディでしょうか
時に明るく、はればれとした感覚になるといった表現を色に
託してる、ときには、季節の移ろいということを、この
風景で表現しようとしてる、あ、自分だったら、こういう
表現すきだなとか、思えることが、楽しみにつながっていきます


先週、坂本繁二郎の展覧会を見てきました
ほわほわとした、色使いなのですが、どういう言葉を使ったら
いいのでしょう。画家の対象をみてる、目線がしっかりしてる
といったらいいでしょうか?


坂本繁二郎の、雲がもくもくと、美しくみえるのは
モネの睡蓮で、水面に移る、緑の美しさをみたから
感じやすくなってる、という気がするのです


どういう共通項があるかといったことを、整理して
書くほど、頭に入ってないし、必要もないかもしれないのですが
モネが、セーヌ川の支流を描いた、たとえば、朝の雰囲気と
坂本の風景はつながっていくように、思うのです


絵をみていて、自分にとって、いいなというのは
その絵をみて、自分の心がうきうきしたり、自由になって
いくような、感じがすることです
風景でも、人物画でも、うきうきするようにその場に
いたくなったり、その場にて、居心地がいいだろうと
想像できる、そういうことのように思います


坂本の、空は、そうなんじゃないか
その空を自分も眺めたら、すーっとする感じが
する、その馬をみていたら、力強さを感じる
そんな思いが広がる、そう思えます


描きたいと感じた、だから描いた
それで、絵は、いいのでしょうね