水辺の美しさ

ドービニーを、新宿、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館に
見に行って、オワーズ河という、パリの北西を流れる川の
川辺の風景を、何度も描いたという画家の絵にとても
親近感を覚えます


どうしてかな?ということで、水辺の美しさを描いてるなという
ことに、着目します。オワーズ河 夕焼けの場面を描いてる
絵について、夕焼けらしく、雲が赤く染まってる絵をみて
ふと、思い出すのは、自宅近くというより、自宅はその川べりに
立ってますが、鶴見川です


もちろん、自然の残り具合だとか、風景そのものが今現在比較すれば
全然ちがうのですが、都市近くの川で、大きな役割をしてる
という意味では、空が広くみえるような、空間を作ってる
ということです


鶴見川は、川幅が広いところで、30mから50mはあると思います
そうすると、川辺にたてば、空はとても広いのですね
そういう空間のなかの、夕陽の赤く染まった、雲は美しいです


朝と、夕方、雲がとても美しく見えるのは、あたりまえなのですが
日の光が、上からではなく、下もしくは、ななめにあたるからだと
あるとき、気が付きました
そして、変化するのです。色、形ともにです
それが、とてもファンタジックだったり、メルヘンのなにかを
思い出させてくれるように、思うのです


ドービニーはボタン号という、小さな船に乗り込み、その船の
上で絵を描いたと聞きました。水辺、極めて、水面に近い位置での
視線で、ものをみると、またこれが新しいというか、新鮮な
ものです


水辺を描くということでは、好きな作家のなかでは
東山魁夷が頭に浮かびます
東山魁夷の「緑響く」、京洛四季での、修学院離宮の絵
水面に映った緑の美しさを、くりかえし、表現します
ドービニーは、水面に映ったものという、対象はあまり
意識していないかと感じます
それより、空の表現、空気感かなと思います


空気感ということ、これは、水面に映ったものを描いた東山魁夷
とても意識したのではないかと、思い当たりました


川のいろんな顔をみたくて、鶴見川だったり、生まれ育った場所に
流れていた、大岡川は、上流に向かって歩いたことがあります
日本で一番長い、信濃川、も、ずっと歩いて、みたくなります
(かなり、長いですね)


水辺の風景、これは私にとっては、原風景になりつつあるようです