自然との対話

山種美術館に、奥田玄宋の展示を見ました
自然と、相対して、自然の美を表現しています
この自然と、相対するということは、多くの画家が
やっていると思います。風景であり、自然があるところ
いろんな画家が、向き合っています


おそらく奥田玄宋は、日本の四季ということを
意識しながら、自然を描いたと思います


大好きな画家、東山魁夷も自然を描いています
ここで、東山魁夷と奥田元宗のちがいを、うまく説明
できるほど、見識が自分に足りてないですが、昨日
奥田元宋の展示をみて、思ったことは、奥田はより色彩に
気持ちを傾けて描いたのかなということですかね


いいえ、東山魁夷だって、色彩は、となるのですが
どうも東山魁夷の色を使う傾向としては、同系色で
おさえたものに、仕上げていくという感覚があるように
思うのです
東山ブルーとか言われて、とりわけ「青」の表現が
多いのも、そう思わせるのかもしれません


さて、奥田元宋。その師は児玉希望という画家でした
そして、児玉希望は、河合玉堂に師事したということが
書いてありました


河合玉堂は、思い出せば、20代の前半、いまとは違って
絵をみるなんてことが、習慣になかったころ、親戚の叔父に
連れて行ってもらって、奥多摩の記念館に行ったことを
思い出します


絵を見慣れてなくても、奥多摩の自然だったり、どうも
横浜市金沢区もあったようですが、人の営みもちょっとある
河合玉堂の絵は、惹かれるものがあったと記憶します


河合玉堂は、繊細さという言葉が似合い、奥田はその
自然を、もう少し、こちらに、迫ってくるような色だったり
絵の題材自体で、表現してくれたと、言ったらいいかなと
思ったりします


一連の奥田の絵をみてきたあと、思ったのは、「生きる力」です
力強いと思いました。奥入瀬の秋という代表作がありますが
その色、流れの逞しさ。流れる音が聞こえるような、そうした
実在感。美しいというより、力強いと感じました


東山魁夷の世界は、静かさ、があります
奥田元宋の世界は、迫ってきます


日本という、自然豊かな国で、画家として、生きていく
ということは、こんなふうな、世界を生み出すのかな、と
東山魁夷も、奥田元宋も見せてくれています


美術館にて、ある作家の世界に浸るというのは
素晴らしい、時間です。その作家が絵にこめた思いに触れられた
そんなふうに思う時、自分の心がその世界に、入っていけたと
感じるとき、うれしくて、心がはずみます


東山魁夷は、風景との対話というタイトルで本を残しています
作家との対話が、少しできた、そんな気持ちになります