安曇野への思い

年に1度か2度は、安曇野に行く
長野県の松本の北、北アルプスの入り口にあたる


山の姿が目にはいる
10年ほど前だろうか
やはり長野県の佐久に宿をとったことがあった
その宿は、全室マウンテンビュー、見えるのは浅間山だった
そのロケーションが、浅間山のふもとではなく
いわば、盆地というか平地をはさんで反対側にある
山の中腹なのだ


山を見るのには、一定距離をおいた、高いところが
すごくいいということをその宿で覚えた
それから、安曇野の魅力が一段と輝いて感じた
地元では、東山、西山などと呼ぶようだが
安曇野犀川梓川高瀬川など流を
はさんで、広がる田園風景が東西の山にはさまれて
横たわるさまは、高いところからみて
その魅力がわかる


明科という犀川が長野の方面と白馬へと流れをわける場所の
北アルプスと相対する東山に、「長峰山」がある
ここからの安曇野の街の眺めと、常念岳をはじめとする
山の眺めは、言葉にならない
特に夕暮れに訪れれば、輝いた安曇野が体をつつんで
くれるだろう


よくいく、常念岳をみるには、高台ではなく
その流れてくる川、かつての登山口だと思う
いまでいう、国営アルプスあづみの公園の
入り口から眺める、T字路がいい


安曇野を眺める、最近の一番のお気に入りは
池田町の旧池田町立美術館、北アルプス展望美術館だ
ここからの眺め、有明山から燕岳などを望む景色を
こよなく愛した、山下大五郎という画家の目が
安曇野ってこんなに美しいのだということを
気づかせてくれる
美術館は広い公園のなかにあって、その公園のそこここで
素晴らしい展望が見られる


池田町まできてしまうと、常念岳は少し離れる
正面といっていい存在感の有明山、そして右手には
爺ヶ岳から連なる、白馬の山々が続く
この丘からの安曇野の景色が、美しい
おそらく、減反だろうか田んぼは減ってるのだろうが
それでも、田んぼや麦畑が点在して
どこかでみたタベストリーのような、いつまでも
見ていたい景色が広がる


画家が、美しい風景を美しいと感じて
それを表現することは、いわば凡人にとって
ありがたい、美的な案内人のようだ。
山下大五郎がその役割を私にしてくれた
ただ、眺めていたのでは気づけない
美しさ。いっぺんで気付けなかったことは
気にならない
気付けたということだけでいい


安曇野の光と山にまた会いたい