山に行きたい

信州の安曇野は、山がよく見えるところで
すごく好きな風景です


10年ほどまえだったか、山をみるなら、その山とちょっと距離があって
向かい側といっていい、高いところにあがるのが、最高にいい
ということを、やはり信州、佐久で宿をとったときに
覚えました


安曇野は、常念岳、蝶が岳から有明山をへて、白馬の山々へ続く
見事な北アルプスの景観にいだかれた、特別な場所といっていいと
思っています


そのあたりの山を眺める、いいスポットがいくつもあるのですが
その名も、北アルプス展望美術館という、まさに安曇野
平らな土地をはさんで、北アルプスと反対側、東側に位置する
小高い丘にある、美術館のまわりは、素晴らしいです


その風景を思い出すと、ちょうど、有明山が愛嬌ある姿として
映っているのを、何度も思い出します
7,8年前になりますが、燕岳に上ったときに、有明山を逆に
見下ろしていみた、風景の雄大なこと。ちょうど、朝、雲海
雲のじゅうたんがひろがり、そのなかに、ぽっかり、まるで
かわいいぼうやの頭のように、有明山の頂が見えた
あの姿はもう一度みてみたい


東山魁夷が、唐招提寺の御影堂の襖絵を描いていくのに、
創建者の、鑑真和上が、困難を乗り越えて、どうしても
着たかった、日本の美しさを、そこに描きとどめたいと
思ったとのこと。そして何年もかけて、構想、スケッチ旅行を
かさねて、描いたその絵は、日本の山と海の美しさを
表現したという話を何度も思い出します


その東山魁夷も愛したという、安曇野の風景に、引き寄せらる
ように、何度も、安曇野に行きます
日本の山は、日本の風景は、日本人の心を、アートを愛する気持ちを
こうして、はぐくんできたのだと、そんなことを
信じられるなと、思わせてくれる。その美しさ、大きさ


できれば、こうした、美しい風景を、仲間と愛でて、大きな気持ちで
笑顔で、感じたい


人間は、美しいものを、感じる心があるのです
その心を、しなやかに、鍛えて、さらに美しいものを受け入れられる
そんな、広がりを、作りたい
よくばりかもしれないけど、本当に、貪欲にそういうことを思います
だから、いっしょに歩もうとしてる人と、そういう気持ちを
共有したいと思います


山はいい。日本はいい
心が、大きくなる、そんな気持ちがいい
この夏、どこの山に行こうか?