木桶の話

木が生きてるから、その桶で作られる
酒、醤油、味噌といった発酵系のものはおいしくなる
「感覚的」にそうだろうと、思います
これ、実際どうなのかは、おそらくは一軒ずつ
たずねて、自分の舌で、確認するしかないだろうと思います


あるとき、お酒の話だったと思います
金属系の桶を使ってるのが、95%という数字をみました
これ、ぱっとみると、ああもう、木がいいといいながら
実際は、金属に変わってしまってるよね・・・
とも思ったのです


自分が見学したことある、酒蔵で特に大手だったりすると
金属だったとも思います
そうなのですが、まだまだ木を使ってるところもあるのではと
ふと思うこと
仮に、95%というのが、量の話でいえば、おそらくは大量生産してるのが
80%とかはあるのですから、残りのなかの1/4は木を使ってる
そういうふうにも見えるのですよね


もうひとつ、最近手にした、おつけものの本
おつけものも、発酵するのだから、というつながりで書きます
おつけもの、かりに同じ材料で、同じ調味料の量で作ったとしても
家々で、味が変わるといいます
これはとっても自然なことで、その家にある、発酵のもとの菌が
ちがうからだといいます


こうなると、発酵のうつわである、桶って大きいと思うほうが
自然ともいえます


食べるものが好きだし、やっぱり生まれ育ったからが一番大きいですが
日本食が好きです。日本食は発酵をとてもうまく使ってきたと
言っていいでしょう


魚を煮るのに、お酒と醤油、さとうを使います
これがなかったら、魚を煮るなんてやめたほうがいいと
思います


小説、天の瞳 灰谷健次郎 を、読んで
「かえし」という調味料を覚えました
酒、しょうゆ、みりんを、一定の割合であわせておいて
それを「ねかした」ものですね
3か月ねかせてほしいと、小説のなかの師匠はいいます


発酵した、調味料だから、ねかすという、ところもでてくるのだと
感じます。そうです発酵するというのは保存するということと
同じ、重なる効果があるということを、思い出します


木桶。職人が減ってしまって、作るのがかなりぎりぎり
という話を聞きました
一方、この木桶作りを残すということで、若い人が集まって
プロジェクトがはじまってるとも聞きました
ぜひ、残ってほしいと思います


なにかものづくりを、続けていくというのは
エネルギーがいる話だと、気が付きます