旅で、なにが、自分にはいってくるのか?というと
「非日常」といった、自分があれれ?と思うこととの出会い
と思います


まずは、風景。信州に毎年いいえ、年に3回とか、通うようになって
なぜ、行くのかというのは、ひとつには「山」を観たいという
気持ちがあります


横浜には、山はありません。いいえ正確にいえば、見晴らしの
いいところにいけば、丹沢、そして富士の雄姿をみることは
できる、というか、とてもラッキーならみれるのですが
それはもうずいぶん、場所としても減ってるし
天気の状態がよくないと、難しいです


信州、安曇野。松本平ともいわれる、平坦な土地が広がるところ
ここは、北アルプスを望むのに、ほんとに、素晴らしいといっていい
場所です
なぜ、これだけ、平坦な広い場所があるのか?
日本、ご存じのように、山と森林が多い場所なのですね
安曇野は、そうしたなか、複合扇状地という、土地の特徴が
うまくでていて、素晴らしい景色がみえるのです


その安曇野の風景を見る、好適地がいくつかあります
長峰山という、JR明科駅の東南の方向の山には
展望台があって、そこからの眺めはすばらしいです
川端康成東山魁夷井上靖がここを訪れたことが
あるという、エピソードがあります


後に井上が残した、手記によれば、川端と東山は、ずっと
熱心に「美とはなにか」といったことを、話してると
書いています


美とはなにか、と、考え続ける、作家と画家。その二人が
お互いの親交を深めるために、選んだ、素晴らしい景色の
場所が、長峰山なのだと、思うと、その景色のすごさといったことが
ひとしお、すごいと思えてきます


長峰山がいい例だし、信州にはそうした、「山を眺めるスポット」が
点在していますが、山を眺めるのなら、一定の距離をおいた、反対側の
高地にあがるというのが、一番見たい山を裾野を含めてみる
いいスポットなのだということを、信州に通うようになってから
知りました


安曇野を描き続けた、画家、山下大五郎は、そうした風景の
すばらしさを、教えてくれました


画家、という「美のアンテナ」をもった、芸術家が
一般人に、美しい場所というのを、案内してくれるということは
よくあることです
つまり、芸術家が、美のパイロットになってくれるということ
でしょう
実際、北アルプス展望美術館にて、山下の絵に出会ってから
とくに、その池田町を中心とした、有明山、常念山脈
いだかれば、安曇野の美しさが、心に迫ってくるように
なったように、思います


旅をして、自分の独自のなにかしらに、出会うというのは
大きなよろこびですが、その自分のなにかに出会うという
ためにも、たとえば、誰かが感じたことを追体験する
といった楽しみが、助けになるという、ことを、思うこの頃です