41歳の銀メダル

葛西紀明が銀メダルをとった
それもほとんど、金メダルをとった、ストッホに僅差で
ほとんど、成績は互角に近い。すばらしい
また、ほんとうに、自分で納得のいく、いいジャンプをした
というすがすがしい、充実感、達成感を思う笑顔をもって
競技をやりとげた


まず、そうした努力の結果が、成績に結びついたということが
うれしい。あの笑顔は、日本中を元気にしたと思う
オリンピックに出続けて、22年。世界で活躍するすごさ
アナウンサーの、解説にも心技体そろってるからできること
という言葉がでた。心。精神力。ジャンプは2回飛ぶけど
2回の合計点で競う以上、どちらも本番だ
1回目でいいジャンプをしても、2回目で失速すれば
結果には、結びつかない。新聞の解説によると


「針の穴をとおす感じだ。体がまったくぶれてないから、
踏切で伝える瞬間的な力は強くなくても、長く踏み込めた」
というコーチの言葉がある


この難しい、技術、体力、そして集中力を、オリンピックの舞台で
やりとげるということ。同じ日本人として、同じ時代を生きる人間として
誇りに思う。うれしくなる


いつものように、若い人を応援したい、私のコメントにありがちな
展開をしてみる
同じ日に、金メダルをとった、フィギュアスケートの羽生くん
19歳だという。これは、これで当然拍手喝采の快挙にちがいない
やったなと思う。でもねと少し心配する
19歳で、世界の頂点にたってしまって、そのあとの人生は
大丈夫かと思ったりする。人間ってまわりの環境に影響されるものだ
金メダル、すごいねという称賛の嵐のなかを、19歳の彼はすすむ
ことになる。自分を見失わずいてほしいと思う


41歳ではじめて、オリンピックでメダルをとった人と、19歳で
金メダルをとった、人。どちらもほんとうに、すごい努力をした
のだと思う
自分がいま、50歳だから、なのか、41歳の葛西は、きっと
このあとも、充実した人生を送ると思う。きっと自分をいい感じで
だせると思う
19歳の羽生くんは、これから、どんどん自分というものがまだ、変わる
はずだ。いいえ変えてほしいと思う。そういうとき
世界の頂点にたってしまった、それも日本中がそれをよーく知ってる
という状況に、つぶされないでほしいと思う
思ってみれば、こわいことだ
過去の自分の栄光をしょっていかなければ、ならないのだから


さて、41歳の葛西。5年前から自宅の一室をトレーニングルームにして
体力を作ってきたという。実際20歳の後半でも、もちろん30代、40代、
なにもしなければ、必ず体力はおとろえるのだ。それは、悲しいかな
つい数十年まえまでは、人生50年といわれたということから
して、自明のこと。それを、体力を自ら増強して、41歳で、世界で勝った
といっていい。そのことがうれしい。努力をつづければ、報われる
という、見本にしてくれたことが、すごいことだ
本人にとっても、みている自分たちにとっても、ほんとうに
いい瞬間、いい成績だった


オリンピックは、感動を生む。そう思える日になりました