梅雨の晴れ間

梅雨の晴れ間は、20歳で虹を渡った仲間を思い出す


やっとのことで、思い出にすることが、できそうなこと
起こったばかりのときは、語るにも語れない、あまりに
リアルで痛々しく、言葉にするなんて、とてもできなかったように
感じる


彼女は、誰からも好かれる仲間で
相手のことを、思いやり、じっと、じっと自分を
みつめる、そうした一途なところがあって、それでいて
めいっぱい、笑顔で、いつもめいっぱい、楽しもうと
していた


彼女は、クラブで行った、英語劇の登場人物として、いっしょに
活動した。明るかった。一生懸命だった


人間が人間らしく、生きるために、なにが必要なのか
人間らしく、ふるまうことを、忘れてしまうということは
どんなことが、トリガーになるのか
そんなことを、ずっと思う
若い、これからスタートしようとしてる、人生に
あんなに、明るい、あんなに相手のことを、思いやれる
存在をぼくらは失ってしまった
なぜだろう


一定の時間のなか、共通の仲良しとお酒をのんで
語った話で、覚えているのは、自分をみつめるであるとか
相手を思いやるというのは、素晴らしいけど、その一点を
思い、自分の心けずるように、集中してしまうと
にっちもさっちも、いかないときってでるのだから
ある程度、ゆるーくかまえておくしかないんじゃないか
そんなこと


あの日から、30年、毎年夏、忘れたことはない
生きるってことは、という意味を考えようとしてる
そういうなか、仲間とはゆるくつながるんだ
という気持ちもあって、仲間同士、視線というか
お互いを見守る、そのやりかたが、やさしくなった
ようにも思う


生きていれば、素晴らしいことにも出会える
そのことを、信じてきたし、実際そうしたことを、思える瞬間って
なんどか、あった。うれしいことだ
人生の宝物といっていい、そういう価値を理解して
生きてるって、いいなと感じることができた


いつか、田辺聖子原作のテレビドラマで、あるキャラクターを
とうして、田辺はいう
親しい、身内といっていい人の死というのは、むごい、つらい経験だ
しかし、そういうつらいことを、のりこえて、しっかり生きていこうと
誓いをたてる、機会とみることもできる。人間、生きていくのは
大変だ。身内の死ということをとおして、元気に生きているということ
そのことだけでも意味があり、せっかく生きているのだから
しっかり、その日その日を充実させようとすることがいかに大切か
ということを、思って生きていくことが大事だと


親しい仲間のあまりにも早い、旅立ち
そのことは、自分に、生きるってことの意味を
考えること、そうしたことを、忘れずにいることを
刻み込んだ
大事な仲間との時間は、やっぱりどんな形にせよ、活かすことが
できるのでしょう
人生の宝物を、見て、感じて、そして生きてほしい