指導者の心

相手の気持ちを本気にさせるのは、自分の本気だ
こういうこと、何度も思ってきました


どうしたら、「本気」がでるのか、というのは
古くて、新しい問題ですね
人間が、集中して、なにかをやろうということ、そのことの
ベクトルを、仕事でも、プライベートでも、チームを
組むのであれば、あわせていく必要があります


「自分事」で仕事をするために、どうするのか


やってることの意味を理解してもらう


責任をもって、できるように、責任範囲を大きくする


このふたつなんだろうと、推察します
2,3年まえに読んだ本に、重要な書類のコピーを
とるという場面がのっていました
どういう状況かというと、数時間かかるコピーの
作業があって、それを、命じられたというのです
このとき、ただ、コピーとれ、というだけだったら
かなり、苦痛な仕事のようにも思います
ですが、「詳細な内容はまだ言えないが、
おいそれと、たくさんの人にさわっては困るくらい
重要な書類だから、あなただけに、やってほしい」という
説明があり、のちのち、それが、どうしても外部には
ちょっとでももれては困る、新規事業のコアな部分の
資料だったり・・・
というような、ことだったら、納得ということがありますね


やることの意味を、理解できるように、話しておく


こう書いてしまうと、そういうことは、やれる部分はやってるんだと
声がしそうです


ところが、実際、伝わるようにやってるのか、というところで
疑問符があるのではないでしょうか?


言葉は、それぞれ、人によって、背景というのがくっついて
言葉の不完全なところを、補うということがあるのです


たとえば、重要な、といったとき、どれほど、そのニュアンスが
伝わるのでしょうか?
仕事していて、その仕事が自分にとって、いいもので、経験
深めている人は、重要という言葉を、前向きに、しっかり
受け止められるかもしれないです。けれど、まだ仕事、それ自体の
意味を受け止めていなかったら???


かけだしの社会人のころ、会議がとても苦手でした
いつもは、いっしょにいないような、えらい人のまえで
なにかを説明しなくてはならない、というのは緊張するものです
こうした場面で、なにが苦痛なのかというと、偉い人がなにを
言ってくるのか、なかなか受け止められない自分がいる
ということでした


かけだしの社会人、どんなことが、この会社で、世の中で重要と
思われてるのか、ごく一部しかわからなかった、ということが
あります。だから、あれこれと、偉い人から指示がとぶことが
とても理不尽に思えたりしたのです
それが、自分自身にとって、成長に関わるようなことにしても
そのときは、なかなか、全体像みたいなものまで、想像できるような
話とくっつけないと、受け入れられなかったのを、思い出します


ときどき、思い出すシーン。そのころの上司が、私にでなく
私のすぐ上の先輩にですが、いま、あなたに私が指示したり
叱ったりしてる、内容は、いますぐ、そうだ、と思えなくても
5年たち、もっとたったときには、ああ、こういうことを
あの上司はいいたかったのかとわかるときがくる。
だから、私のことを信頼してみて、そのとおりやりなさい


これ、言ってみれば、あることを成し遂げてる人だから
見えてる、やるべきことがあって、それを指してるのだろう
というのは、なんとなくは理解はできますが・・・?
言われてるそのとき、素直に聞けるのか?


こういう問題が、指導する側と指導される側には
いつもありそうです
そして、30年近くまえの、私の経験と、いまとはまた
状況はちがうのだ、と感じます


ただ、言えるのは、わからないながらも、人を指導する経験
そのなかで、どうしたら、もっと伝わるのかと、考える経験は
絶対重要なことだということです
決して、ムダにはなりません。ぜひ、正面から取り組んで
ほしいと思います