山がみえるという場所にて

友人に手紙を書きました
いま、山をみあげることができる、部屋でこのはがきを
書いています
お元気ですか


旅にでて、そのとき、感じたことを、友人に送るのは
自分自身の、気持ちがあがるということで、貴重なことです
旅にでること、それ自体が、自分のなかにあることを
からっぽにし、また新しい活力をもらうそのことが
いいんだともいえるのですが、そんななかで、相手に
手紙を送るのは、自分のいまの状態を、再確認できる
ということで、とてもいい、時間と思っています


今回、長野県白馬村の、八方尾根のふもとに宿をとり
いい空気を吸ってきました
まるで、自分の視力があがった?って錯覚するくらい
空気がきれいなんです
だから、景色が、色が、すべて、鮮やかです


信州にいくと、風景に必ず、山がみえるというのが
心にじんわりくるのです
山という存在そのものが、心のなにか、いつもは
あかない扉をあけて、そこから出入りする、空気であり
気持ちであり、なんだろう、いろんなものが
それまで、軋んでいたものを、うごかし
なめらかにしていくような、そんな感覚があります


自分のやってることは、素晴らしいことだと
素直に、感じれるそういう自分にもどっていくような
そんな不思議な、パワーを秘めたなにかを、得られる
そんな、感じがします


山をちょっと歩いて、景色のいい場所で、向こう側の山を
みると、ピークが雲にかくれたりしています
それは、残念といえば、残念なんだけど
心のもちようじゃないかって、気がしてきます


山の一部が、雲でかくれている、そんなふうなことは
人生でいえば、あたりまえですね
つまり、見えるものが一番の姿とはならないのです
足らないものを、補い生きるということが
大事じゃないですか


だから、足らないところは、想像するなり
どうしても、みたかったら、時間をかけて、待って
雲が行き過ぎるのを、見ていたり
そんなふうにしてみるのも、いい時間です


人生において、時間をかけてやるべきは、なにか?
そういうことを、心に問う、そういうことも
大事と、思えてきます


時間をかけていいもの
時間をかかたほうがいいもの
あるのですよ
なんでも、スピードが大事、とも言えないんでは
ないでしょうか


山をみていると、忘れていたこと、一度
大事と感じていて、見落としていたこと
思い出せる、そんな気分になれます