世界を表現する

芝居と絵は、似てる部分があるよ
そういう会話を、藤田嗣治が、自作自演の
芝居を、録音テープに残していたという
話題から、つなげてみました


ひとつの「世界」を伝えるということで
似てる、と、思うのですね


芝居でよく言われる、対立があること
と、昔読んだ、演出の本にありました
「対立?」、ラブストーリィに対立は
ないでしょ?って
思うかもしれないですね


たとえば、ロミオとジュリエット、ほどでは
ないにしても、惹かれあう、男女のそれぞれの
家の対立だとか、背景にある、生活習慣といったことの
対立とか、あって、芝居としての、ストーリィが
浮かび上がってくるのですね


絵、ということも、美しさの表現と、くくって
しまうと、見えないのですけど、世界があると
思うのです


東山魁夷の「道」をみて、自分のなかの、生きた軌跡と
思う人、そして、生きたその道と、まわりの環境だとか
社会といった、対比が描かれてると思う人


唐招提寺、御影堂の襖絵とすれば、東山魁夷
鑑真に対する、敬愛、尊敬、鎮魂の表現と
言えるでしょう。そして、東山のなかでの
渾身の力を込めた、日本の美しさを表現することで
その思いを、伝えていくという意思が、でている
そういう世界


大好きな、映画、サウンド・オブ・ミュージック
戦争に近いという時代背景。ナチスが迫る中
家族を、祖国を愛するという気持ちがおしつぶされようと
するなか、それに抗う、気持ち。
子どもたちの純真さ。母をなくした子どもたちに
愛情と音楽で、全身で受け止める、マリアの生き方
アルプスを背景、ヨーロッパの美しい田舎の自然の
景観。そうしたものが、あるとき軸となって
表現し、家族を守り、この自然を生きる、愛する
という気持ちを軸にして進んでいく


きっと、絵にもできる、世界


無理に、絵と芝居をくっつけるのも
おかしいかもしれないですけど
表現したい、世界があるということで
つながっていく、そういう、面白さですね