演出家の仕事

海街ダイアリーという映画が、気に入りました
そして、是枝監督の俳優の、俳優らしさ、おそらく
可能なかぎり、「地」の部分をだしていく
という演出が気になりました


そのことに、気づいたのは、綾瀬はるか演じるところの
長女と、長澤まさみ演じるところの次女の、たあいない
ケンカじみたやりとりでした
おそらくですが、是枝さんは、こんなふうに「ケンカっぽく
やって」という指示はしていない、と直感しました


それからカップルの描き方
堤真一演じるところの、長女の恋人と、長女との
会話。一定の大人同士の相手を思いやり
また、大事に思うがゆえの、あたたかさ、自分の立場を
みつめる、振る舞い


また、リリーフランキーと、風吹ジュン演じるところの
50代いいえ、60代かな、そうしたカップルの
やさしさをたっぷり含んだ、そうやっぱり大人のお互いを
尊重しつつ、好きでいる、そうした関係


きっとこの空気感、カップルの「いいな」と思わせる
雰囲気は、二人で作ってくださいと、是枝監督は
任せてるのだと思う


見てるほうからは、綾瀬はるかは、堤真一
もしかしらたら、プライベートでも自分の大切な
パートナーにこんなふうな、気遣いと、あたたかい
まなざしを投げてるのかななんて、想像ができて
楽しい


演劇をちょっと、かじったことのある自分として
演出をする人が、演じる人に、演じ方、キャラクターであり
その振る舞い方を任せるというのは、みようによっては
演出する人の「さぼり」に似てるのではあないか
なんて、見方をしていたことが、実はあるのです


海街diaryのもってる、自由さ、自然さは
別の楽しみ方を、かいまみる、いい作品として
とらえることができました


演劇を作っていくというのは
楽しい、とてもクリエイティブだと思っています
そのクリエイティブというところ、演出家であれば
自分でデザインしたことが、スタートとしてあってと
考えたくなるのですが、あえて、そこに出演者を
巻き込む、そういう、いい手法に見えてきました