東山魁夷

東山魁夷 道という作品があります
ヨーロッパをスケッチ旅行した東山魁夷、そのあと
作品の図録の序文を、川端康成が書くというとき
川端は、改めて、「道」を見に行ったという
ことが、記録に残っています
また、実物の作品をみたあと、図録を
見直すと、道の長さが長くみえるといったことを
東山本人への手紙のなかで綴っています


絵が、人の心になにかしら、の、感情
安らぎ、潤い、エネルギーといったものを
与える、そうした、ものになれるのなら
素晴らしいと思います


また、東山魁夷は、日本人の大事にしてきたものを
描いてるといっていいと、感じることが何度か
あります


2年前の4月、長野県立美術館、東山魁夷
善光寺のところに、行きました
「窓」という作品があります
ドイツ、ローテンベルグで描かれた、絵
城郭といっていい、街をぐるりを囲む壁の
なかで、入り口としての門、そこにあった
窓を描いたといわれています


なぜか、この旅人を迎え、送り出した場所の
門であり、窓が、こちらになにかを伝えてるように
思うのです


人間は、出会いと別れをくりかえすもの
ある人との出会いが、自分の人生を豊かにし、救う
といっていいことになる、またその出会いは、別れが
あってこそ、あったものだということもある


そうした、分かれ道にある、そういう意味が
あるからでしょうか?


そのときの、東山魁夷館は、おそらく手元にずっとあったのでは
と思われる、東山魁夷の肉筆の、日記が残っていました
くりかえし、山を描くようになった、きっかけとなったという
大学のときに、木曾の山々をキャンプしたというときの
日記がありました


親から身体が弱いといわれ、ひとりで生きていくのに不安を抱いて
いた青年が、山をキャンプでまわるということで、生きていくということに
自信を深めたということが描かれていて、自分をみつめ
自分と対話してる、若い東山の表情が浮かんでくるのです


東山魁夷、その人柄にひかれて
作品をみる、続けてみたいです