時間をかけること

丹波の陶芸家、柴田雅章さんのご自宅にお邪魔した時
登り窯を、作ってるとのことで、その作りかけの
場所をみせていただきました


れんがをみつけてきて、(その、いいレベルのれんがが
またさがすのが、大変だそうです)手で、つみあげていく
ということなんですね。何か月も、いいえ1年、2年と
かかるのでしょう。「大変だ」とも思いましたが
その時間をかけるということが、とっても実は大事なこと
じゃないか、そういうふうにも、感じたのです


料理をするってこと。たとえば、「だし」ひとつとっても
いまは、ぱっと粉をいれて、「はい、だしです」って
思ってる人もいるでしょうけど、かつおぶしや、こんぶで
ていねいにだしはとりたい。そうして、材料も自分の目で
確かめて、買ったり、できれば、顔の見えてる人のつくった
ものを使ったりしたい
そういうふうに、思うと、料理というのも、時間がかかるものです


「ビジネス」という観点だと、たとえば、私が生きてきた
50数年、人のテマヒマというのを、いかに省くか?省力化
できるかということが、ビジネスのやることだったとも
いえて、「時間をかえること」というのは、逆行するような
イメージをもつことが、現代人って多いのかなって感じます


でも、時間をかけたほうがいいことって、実はたくさんありますね
上の、陶芸の話だとか、料理だけではない
人間の意識が伴うことって、時間をかけることで、うまくいく
ことがあると思うのですね


生きるってことは、ほんとうに大変なことだと、感じることがあります
その大変なこと、特に「ひとりきりで」とか考えると、目がくらくら
するくらい、あーたいへんだ、となるのですが、仲間がいて、はげましあい
お互いを鼓舞していければ、なんとか、できるのでは?と思うことも
たくさんあります


演劇、を、して、最初、演技だとかああ、どうしようってくらい
ぐちゃぐちゃの状態だった、人が、こうやるといいよ、とか
誰かのなにかをみることで、はじめは、まねするだけだったのが
自分なりの工夫を重ねるなどして、表情だったり、動きにしたって
自信のあるものになっていく。それを支える、演出家、また
舞台をサポートする人たち、メイク、照明、サウンドなどなど
そういう、アンサンブルの力というのを、私は、幸いみてきました
「人は、変わる」そう、信じられる経験をしました


生きるってこと
その生き方をどうするかって、考えること
それこそ、時間をかけてもいいのではないか?
そう感じるのです