山の静かさ

山道の林が広がる、場所は、川の音、鳥のさえずりが
あるほかは、静かな空間。川の音、鳥の声が静かさを
感じさせてくれるといっていい、場所なのでしょう


おそらくは、人口密度は世界的にみても、かなり高いと
思う、東京で仕事をし、横浜で生まれ育った、自分は
あんまり静かだと、ちょっと落ち着かないということが
あります
ですが、ふと、そういう空間に自分を置いてみると
なんて、いい空間なんだ、と思う事、ありますね


5月の後半が、その林間に咲く花として、とても愛らしい
形の「ニリンソウ」の季節だということに気が付きました
長野県松本市、松本の市街から西へ車を走らせました
長野自動車道、松本インターチェンジから31キロ、
上高地には、自家用車では入れない規制があって
車を止める駐車場、「さわんど」につきます


この上高地について、数えたら10年まえだとか、何度か
来ているのですが、ずいぶん、道路が整備されたようです
奈川渡ダムというダムのまわりに、おそらく、トンネルが
5個以上増えてるのではないでしょうか
一番新しい、トンネルは、大正池の近く(交通規制があるなか)
に2年前にできたと聞きました


上高地河童橋という印象に残りやすい、穂高連峰の雪形が
くっきり梓川沿いにみえる、景勝地があります
ここにバスターミナルが置かれ、北アルプスの入り口のリゾートと
なって、観光客があふれています
河童橋から、3.3キロ、梓川沿いにさかのぼると、明神池です
ここまでくると、おそらく観光客は1割ほどになるでしょうか


明神池のある、穂高神社奥宮の近く、明神小屋があり、その奥の
登山道のまわりに、ニリンソウが顔をみせていました


この登山道、もういい季節ですから、ずっと人がいない状態を
望むことはできないのですが、でもどうかすれば、10分とかは
人がいない状態で、静かに花を眺めることができます


思い出すと20年以上まえ、上高地でハイキング(登山とは
言えないですね、標高差があまりないところを歩きました)
したときに、たまたま、道すがらいっしょになった女性から
これが、ニリンソウ、これはサンカヨウといって
花を覚えることができました


静かです
そして、その静かな空間で、精一杯花を咲かせてるニリンソウ
「けなげ」です
この10日間とか、一心に花をさかせて、生き切る
「花」というのは、短く、咲ききることで、生きた証
生命をつなぐ、いっときを、彩るわけです


山に登るのは、たいへんですが、こうした花のけなげさに
出会えて、いいなと思います
植物の気持ちはほんとのほんとは、わかりません
でも、けなげだ、と思って、自分の生きる栄養に
してしまいましょう