鎌倉

鎌倉は、山があって、山があれば、谷もあるのですが
谷には、寺があって、それが鎌倉の寺の特徴と
思っています


瑞泉寺、妙本寺、光則寺、それぞれ、ずいぶん前から
好きな寺です
いけば、谷が、音を吸い込むのか、静かな空気が
流れています
永井路子は、そうした鎌倉の寺の静かさを
教えてくれました


ここ、最近、思うのは、観光化が進んだせいといっていいか
前は拝観など、していなかった、寺が拝観を
するようになってるようです


海臧寺
萩が、咲いていました
鎌倉の駅から、だんだん緑が濃くなるような
ほぼ、線路沿いの道を、北に向かい
つくつくほーしが鳴いてるのを、聞きながら
進みます
線路と別れて、谷に向かって進むように
なって、ほどなく、小さな門、その門を
隠すように、萩が咲いてる、海臧寺に行きあたりました


萩、この季節を告げる、つつましい花
この花が地味なのは、どうも子どものころに
ときどき、遊んでいた、花札が理由だと気づきました
花札、たとえば、桜、梅、もみじなど、色鮮やかで
印象的なデザインです。でもそのなかで、萩は
いちばん、地味じゃないかなと思うんですね
人によるかもしれないですが


でも、今回海臧寺で、萩、なかなか、季節を感じて
よかったです。芙蓉も咲き、奥の茶室がみえる
庭の池には、はすも咲いていたようです
そして、水引も。


ここ10年くらいのことです
アートを見るようになって、あらためて、有島生馬の
足跡を、思ったりして、鎌倉が別荘地として、存在して
その雰囲気は、いまも鎌倉にあると、気づいたのですね
別荘地、だから、ちょっと高い食材も買う人がいる
だからそうしたものを、扱う店がなりたつ


また、東京から1時間という距離、多くの古刹をかかえ
「おでかけ」に、なにかと、行きやすい条件を備えてる
というのも、観光地としての人気、つまり、別荘地と重なる
要素をいまも、そろえてるといっていいでしょう


鎌倉が、寺の街、海の街として、とらえていたのに
別荘地があった、ちょっと特別な場所、軽井沢に似てると
みてみると、あらためてその魅力をさぐってみたくなります


そして、できれば、鎌倉にいくと
なにか、いいことがある
いいことに気づく、そんな受け止め方ができる
自分でいたいと、感じたのです